ゆるやかなカーブも滑らかに磨ける「カービングサンダー」
仕上げやその直前の表面磨きによく使われるのが、番手の大きなサンドペーパー。サンドペーパーはペラペラなので、スグに曲がってしまいます。これを防ぐために使われるのが、サンドペーパー用のホルダーです。 【もっと写真を見る】
木工、模型の組み立て、アクセサリーの自作などで、必ず使うといっても過言ではないのがヤスリ。大きく削って形状を変えるのはもちろんのこと、バリや継ぎ目を目立たなくする、表面の荒れを取って滑らかにするなど、用途によってイロイロな使われ方をします。 中でも、仕上げやその直前の表面磨きによく使われるのが、番手の大きなサンドペーパー。安価なうえ自由に切って使えるため、広い面積から細かいところまで、適切なサイズで使えるのがメリットです。 とはいえ、サンドペーパーはペラペラなので、スグに曲がってしまいます。平らになるよう、指先で均一に磨いているつもりなのに、気づいたら凸凹になっていたなんてこともあります。これを防ぐために使われるのが、サンドペーパー用のホルダーです。 細かい部分を磨ける「カービングサンダー」 このホルダーは種類が多く、平らな板を備えた平面研磨用、凹面磨きに便利な湾曲したもの、巻きつけて棒ヤスリのように使えものなどさまざま。そんなホルダーのひとつとして紹介したいのが、今回試したアルゴファイルの「カービングサンダー」(実売価格3820円)です。 一見するとスリングショット(おもちゃのパチンコ)のような形状をしていますが、ゴム紐ではなく帯状のサンドペーパーを張って使います。部品に指がぶつかることなく隙間を磨けるため、とくに模型のような細かい部分が多くある用途で活躍してくれるアイテムです。 サンドペーパーは汎用品をカットして使える 本体にあるネジは3つ。サンドペーパーをセットするには、そのうち先端の2つをゆるめます。あとはサンドペーパーを挟み込み、ネジを締めればOK。準備はとても簡単です。 ピンと張れば、平面からゆるやかなカーブ、ゆるく張れば大きく曲がった部品が磨きやすくなります。 サンドペーパーを挟む部分は内側に凹凸があり、多少引っ張ったくらいでは抜けないようになっているのがいいところ。磨き始めた途端にすっぽ抜けたりすると、イラッとしてますからね。 ちなみに、使用するサンドペーパーは、カービングサンダーの幅に合わせて作られている「CSヤスリ」(実売価格497円)が推奨されています。番手は#180から#2500まで10種類用意されているので、粗削りから仕上げまで幅広く対応できます。 細さは、自分で好みにカットして使いましょう。 ここで気になるのが、「どうせカットするならCSヤスリじゃなくてもいいのではないか?」ってこと。そうです。実際その通りで、普通のサンドペーパーを合うサイズにカットしてしまえば、そのまま使えます。サイズは幅75mm以上、細さ10mm前後を目安にすれば大丈夫でした。 サンドペーパーの微調整は中央のネジで サンドペーパーを張る強さは最初の固定で決まりますが、あとから少し強くしたい、もしくは弱くしたいと感じることがあります。毎回、感触を確かめながら張り直してもいいですが、それよりもっと簡単なのが、中央のネジを緩めて幅を調整することです。 この中央部、通常はネジで固定されているのですが、これをゆるめると20mmくらい伸縮が可能。ピンと張りたい場合は、縮めた状態でサンドペーパーを固定し、その後、中央ネジをゆるめて左右に広げることで調整できるわけです。 逆に、ある程度たるませて使いたいという場合なら、先に幅を広げてからサンドペーパーを固定し、中央を縮めるといいでしょう。 形状に合わせたカーブを磨きたい場合はたるませ、バリや段差を削り取りたいといった時はピンと張る、といった調整が簡単です。 持ち方は各自持ちやすい方法でOK 隙間や細かい部分は力加減が難しく、手作業だけではうまく磨けないことがあります。そんな時は、このカービングサンダーの出番。指が入らない狭い部分も、サンドペーパーさえ滑り込ますことができれば磨き上げることが可能です。 もちろん、見ての通り奥行きが小さく幅も狭めですから、使えないシーンも結構あります。どんな隙間も磨けるようになるとはいえませんが、手が届くようになる範囲は明らかに広がります。 あと少しなのに届かないというむず痒い思いをしたことがあったり、細部の磨き残しが気になることが多いというのであれば、きっと役立ってくれるでしょう。 ●お気に入りポイント● ・普通のサンドペーパーが使える ・張りの強さを調整できる ・強くて質感の高いアルミ製 この記事を書いた人──宮里圭介 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。 文● 宮里圭介 編集●こーのス