<ここに注目>名門・広島商は強打 21世紀枠で初出場の丹生が挑む 選抜高校野球
丹生・小松海夢副主将の話
センバツ初出場で緊張もあるけれど、しっかり一戦一戦頑張っていきたい。(広島商は)伝統校でもあり、強豪校なので対戦が決まってとても光栄。甲子園の舞台はとても楽しみ。
福井独自の「連携型の中高一貫」
1925年に創立された共学の県立校。地元4中学の希望者が簡易的な試験で入学し1クラスを構成する福井県独自の「連携型中高一貫教育」を導入している。校訓は「業精於勤(ぎょうはつとむるにくわし)」。 硬式野球部は49年創部。2013年に着任した同部出身の春木監督の下、バドミントンなど他のスポーツを取り入れるなどユニークな練習で近年力をつけてきた。19年夏の福井大会で準優勝し、活躍した玉村昇悟投手はプロ野球・広島に入団している。男女ホッケー部、弓道部なども全国レベルの強豪。
丹生・野球部OB会元会長の桝田靖さん「大変なことに」
戦後まもない1949年に丹生高3年生として入学しました。その年は創立2年目で、教頭先生らの呼びかけで野球部が結成されました。食べるものもないような時代、球の糸が切れれば持ち帰って自分たちで縫い直し、ひびが入ったバットは素振り用にして繰り返し使いました。 これまで、後輩の試合は必ず球場に見に行って応援してきました。甲子園に出場すると聞いた時には「これは大変なことになった」と驚き、OB会として支えようと思いました。 出場する後輩に感謝しています。今後もしっかりとプレーしてほしいという望みしかありません。21世紀枠に選ばれたのは、丹生の礼儀正しさが重視されたのではないでしょうか。あいさつをしっかりして、がんばってください。
「逆転の広商」は健在 4元号勝利の先へ
好機を逃さずたたみかける打線と、多彩な継投が持ち味だ。 昨秋の中国大会で益田東(島根)との1回戦は3点差をひっくり返し、倉敷工との準決勝も3点を追う八回に一挙7得点を挙げるなど「逆転の広商」は健在。打線の中心となる主将の3番・植松幹太(3年)はパンチ力があり、小技も使える。2番・八幡大介(3年)は選球眼も良く、打率はチームトップの5割3分3厘をマークした。 投手は絶対的なエースは不在。打者の手元で微妙に動く直球が特長の左腕・浴口光介(3年)や、左打者の外角へ逃げるシンカーが持ち味の右腕・保川七星(3年)、強気に内角を突ける右腕・佐藤大介(2年)などタイプの違う選手がつなぐ。 春夏7回の優勝を誇る名門だが、センバツ出場は20年ぶり。昨夏の松商学園(長野)、高松商(香川)に続く史上3校目の大正、昭和、平成、令和の4元号勝利の先に、1931年以来91年ぶりとなる春の頂点を見据える。