「実は国民の3人に1人が患者」 頭痛専門医が教えるマッサージ法と食事 「チョコはダメ、コーヒーが有効」
「チーズと赤ワイン」の組み合わせは最悪
まずは食事について。チーズをつまみに赤ワイン、これは左党にとって最高の組み合わせでしょう。しかし、片頭痛の観点から考えると「悪い相乗効果」を発揮する恐れのあるコンビネーションなのです。 そもそも、赤ワインに含まれるフェニルエチルアミンという物質に血管拡張作用があり、片頭痛を起こしやすい。その上、赤ワインには、醸造過程が原因で血管を拡張させるヒスタミンという物質が多く含まれています。そして、白ワインよりも体温に近い温度で飲むことが多く、胃腸からの吸収スピードが速くなり、血管拡張が促進されます。さらに、赤ワインに豊富なポリフェノールにも血管拡張作用があります。 また、発酵食品であるチーズにはチラミンという物質が含まれ、これには一時的に血管を収縮させる作用がある反面、必ずリバウンドを起こし、結局は血管を急激に拡張させてしまいます。従って、赤ワインとチーズの組み合わせは、片頭痛持ちにとって要注意なのです。
高級チョコほど……
赤ワインのつまみにチーズがダメならチョコレートはどうか。この組み合わせも、ワイン好きに愛されているものだと思いますが、チョコにもチラミンやポリフェノールがたくさん含まれていて、しかもカカオ含有量が多いとチラミンとポリフェノールも多くなるため、高級チョコほど片頭痛を誘発しやすいのです。 一方、片頭痛予防に有効なのは、例えばコーヒーなどに含まれるカフェインです。過剰摂取にならない範囲、1日200ミリグラム以内のカフェイン摂取は片頭痛持ちには悪くない食習慣です。 その他では、マグネシウムやビタミンB2が片頭痛に効くとの医学論文が多数発表されています。バナナには双方が含まれます。また、前述したセロトニンの生成に寄与する必須アミノ酸のトリプトファン、ビタミンB6、糖質も、バナナには含まれています。従って、バナナは片頭痛持ちにとって良い食材といえます。意外かもしれませんが、魚介類をネタにしたお寿司も、ビタミンB6や糖質、トリプトファンが取れる有効食品です。