「旧紙幣が使えなくなるため交換します」と銀行から電話がありました。今後は新紙幣しか使用できなくなっていくのでしょうか…?
新紙幣の発行に伴い、注意したいのは「詐欺被害」です。「旧紙幣が使えなくなる」「キャッシュカードの交換が必要」といった内容の電話をかけ、旧紙幣やキャッシュカードをだまし取る詐欺が発生しています。 新紙幣発行後も旧紙幣の使用は可能です。今回は、新紙幣発行後の旧紙幣の扱いや、詐欺の予防策についてご紹介します。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
新紙幣発行後も旧紙幣は利用できる
新紙幣が発行されても、引き続き旧紙幣は利用できます。もし、「旧紙幣が使えなくなる」といった内容の電話がかかってきた場合は、詐欺の可能性があるため警察に相談しましょう。日本銀行でも「一度発行された銀行券は、法令に基づく特別な措置がとられない限り、通用力を失うことはありません。」と明言しています。 法令に基づく措置は、昭和2年、昭和21年、昭和28年と、過去3回行われており、それ以降はありません。現在の1万円札には「渋沢栄一」の肖像を採用し、発行されていますが、昭和61年1月4日に発行停止となった「聖徳太子」肖像の1万円札も引き続き使用できるようです。
旧紙幣から新紙幣への移行を利用した詐欺の例
新紙幣への移行にあたって、さまざまな自治体が、詐欺に警戒するよう注意を促しています。詐欺の事例としては、以下のようなケースが予測・散見されます。 ・「旧紙幣は使えなくなるから交換する」と電話がきた ・「今持っている新紙幣は偽物だから交換する」と言われた ・「ATMも変わるため、キャッシュカードの交換が必要」と言われた 銀行員や警察官を装って電話をかけてきたり、来訪したりするケースが発生しているようです。しかし、本物の銀行員や警察官が、いきなり旧紙幣やキャッシュカードを交換しに来ることはありません。 もし、こうした事例が起きた場合は、お金を渡さずに警察へ通報しましょう。警察に相談することをためらってしまう場合は、消費生活センターへ連絡する方法もあります。
詐欺にあわないための対策
詐欺被害を防ぐためには、固定電話や携帯電話の設定を変える方法が有効です。携帯電話の場合は、電話帳に登録している番号以外を拒否できる「登録外着信拒否」機能が有効でしょう。着信履歴は残るものの、着信自体はないため、詐欺の電話に出ずに済みます。 また固定電話の場合は、録音機能を設定しておくと録音していることが相手に伝わるため、詐欺電話を受けにくくなるでしょう。常に留守電設定にしておき、知らない電話番号からの電話には出ないようにするのも有効です。 直接、家に不審人物が訪れた場合も対応せずに、警察や消費生活センターなどの公的機関に相談しましょう。