老後の生活設計で大切なこととは? 介護が必要になった場合を想定し「在宅での暮らしか、施設での暮らしか」をイメージすることから始めよう
介護では生活上の課題があり、「どこで、だれと、どのように」暮らすかを想定することが介護対策の鍵になります。 本記事では、介護が必要になった場合に「どこで」暮らすかについて、具体的に考えていきましょう。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
退職後のライフステージ上の課題
まず、老後の人生設計(ライフプラン)を考える際のポイントを紹介します。 一般的には、私たちは退職後にいわゆる「老後の生活」に入っていきます。「退職しても健康であれば働きたい」という考え方はさておき、いずれ医療や介護のお世話になることを想定し、死に至るまで「どこで、だれと、どのように暮らすか」を考えることは、老後の人生において極めて重要な課題といえるでしょう。 図表1
※筆者作成
介護が必要になった場合、「在宅か施設か」の2択になる
ライフステージ上の課題のなかでも「どこで暮らすか」という点は、「生活拠点をどこに置くか」という意味で、とても重要な項目といえます。 介護が必要になった場合、おそらく多くの人が「自分の住み慣れた家で暮らしたい」と考えることでしょう。つまり、「在宅」という選択肢は当然のことながら存在します。 一方で、実際に介護が必要になった場合、在宅での生活が難しくなり「施設」で暮らすことを考える人もいます。例えば、介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、グループホーム、ケアハウス、介護医療院などです。 このようにさまざまな種類の施設があるため複雑に見えますが、端的にいえば「在宅での暮らしか、施設での暮らしか」を選ぶことになります。そのうえで、医療保険制度や介護保険制度などの社会保障制度を活用しながら、老後の暮らしを営んでいきます。例えば介護保険制度の活用でいうと、「在宅介護か、施設介護か」の違いです。 昨今では老後の暮らしに対する不安から、漠然と「お金をためたい」というニーズが高まっているように感じますが、まず「どこで暮らすか」を想定しなければ、具体的な貯蓄額のイメージが湧かないのは当然といえるでしょう。