サブスク請求や相続でトラブルも…『デジタル遺産問題』が顕著化 家族に見られたくない「負の遺産」の整理方法は "買い物ポイント”は相続できず
■パスワード知られたくないが…「ルール」を作って情報共有を
実際に、国民生活センターには相談も寄せられている。 亡くなった兄が利用していたネット銀行の手続きをしたくてもスマホが開けず、ネット銀行の契約先がわからないため、お金を動かしたくても動かせないという60代男性のケースや、80代の女性からは、亡くなった夫が契約したサブスクの請求を止めたいが、IDとパスワードがわからず請求が続いているというケースだ。
生前にパスワードを自分以外に知られたくないということは容易に考えられるが、死後のために個人情報を伝えていかなければいけないことも当然で、管理が非常に難しいのが実情だ。 この問題を解決するために、日本デジタル終活協会の伊勢田弁護士は「スマホのログインパスワードを書いて家族と共有しておく」ことを勧めている。 伊勢田弁護士: 「万が一の時に見てねと言っても、そもそも生前に教えたくないのに何でそんなことを言わないといけないんだってなると思うので、ログインパスワードを書いて封筒に入れて、のり付けして封印していただいて、万が一の時はこれを見てねと。中を開けられたら分かりますので、もし封印を解かれていたらパスワードを変えればよいという話なので、対策は容易かなと思います」 伊勢田弁護士はほかにも、口座などのリストをノートに残し、パスワードがなくてもせめてどういうものを契約しているのかを書き残したりするもの良いとしている。
亡くなった家族とスマホのパスワードを共有していなかった場合、専門業者に依頼して解除してもらうこともできるが、高額で時間もかかるというデメリットもあるため、これは最終手段としておいて、なるべく家族で共有するのが望ましいとしている。
■デジタル遺産で相続できないもの
ただ、デジタル遺産には相続できるものもあれば、できないものもある。
相続できるものは「ネット証券」「暗号資産」「バーコード決済の電子マネー」に、航空会社のマイルも相続できる。 しかし、買い物でたまる「Vポイント」「dポイント」「楽天ポイント」などは相続できない。