「あなたの子が参加したら、うちのクラスが勝てない」 発達障害児を“厄介者扱い”…親は「幼稚園・保育園」どう選ぶか
幼稚園や保育園では、特別に配慮が必要な子どもに対して「特別支援学級」や「特別支援学校」のようなものは準備されていません。もし、わが子が発達障害児だったら、あるいは発達障害の疑いがあったら、どんな幼稚園や保育園を選べばよいのでしょうか。自閉症の息子を育てた、子育て本著者・講演家である筆者とともに考えていきましょう。 【画像】「えっ…そうだったの…?」 これが「発達障害児」にみられることのある行動です(5つ)
障害児を「歓迎はしていない」園も
幼稚園や保育園は義務教育ではないので、療育施設だけに子どもを行かせ、幼稚園・保育園に入園させなくても「親が子どもに教育を受けさせる義務を怠っている」「子どもが親から教育を受ける権利を奪われている」といったことにはなりません。そのため、療育手帳を持っていなくても、受給者証をもらい、療育施設だけを利用する方法もあります。 でも実際は、小学校入学までは週に1~2回程度療育に通わせていても、定型発達児が大半の幼稚園、保育園に行かせている親御さんが多いように思います。 そうした園において、あからさまに言われるようなことがないとしても“歓迎しない雰囲気”を感じることがあるかもしれません。例えば、次のようなケースが考えられます。 【ママ友からの理解がない】 “お受験系幼稚園”とは限りませんが、教育熱心な親御さんばかりが通う園で、手のかかる子がいると、他の保護者から「保育士がその子ばかりに関わっている」「うちの子の足を引っ張る厄介者」と思われてしまうケースがあるかもしれません。 【園側が、障害児を暗に嫌がっている】 園側に、障害に対する理解がない場合、親も子もつらい思いをするでしょう。現在は昔と違って、障害者差別解消法により合理的配慮をしなくてはならないので、園側もあからさまに拒否することはできません。「障害のあるお子さんを積極的に受け入れています」という園がある一方で、「歓迎はしていません」という園もあります。 知人の話ですが、トラブルが起きるたびに園から「迎えに来てください」と電話がかかってきたため、知人は携帯が鳴るたびにビクッとしていたといいます。また、せっかく園に入れたのに「お母さまがいつも一緒に保育室内にいてください」と、加配の先生のようなことを要求されるケースもあるようです。 さらに、発表会が「先生の指導力の成果発表の場」と化していて、子どものためになっていない園や、「発表会や運動会で成果を挙げることが第一」となっている園もあります。 実際に、私の知人は「発表会で鍵盤ハーモニカを勝手に吹いてしまうため、音が出ないようにホースに小さな穴を空けられた」「ママ友から『あなたの子が参加したら、運動会でうちのクラスが勝てない。運動会を休んでほしい』と言われた」といった経験をしたそうです。それでも、「園から悪く思われないように」「周りに迷惑をかけないように」と、猛特訓している親御さんもいました。