アデルやプリンスもNO! NGアーティスト連発の中「トランプ愛用」の出囃子、バイデンやハリスのお気に入りは?
■トランプはアーティストから「拒否」 少し前置きが長くなった。このように歴代の大統領候補が多くのキャンペーン・ソングを戦略的に用いる中、政治的信条が合わないとの理由でアーティストからの楽曲使用停止通告が出ることもめずらしくない。 トランプの場合、2016年の選挙戦から多くのアーティストが使用禁止の声明を出した。ファレル・ウィリアムス、エアロスミス、R.E.M.、アデル、ガンズ&ローゼズ、エルトン・ジョン、クイーン、プリンス、リアーナ、ニール・ヤング、シニード・オコナー、ローリング・ストーンズ、ブルース・スプリングスティーンとまさに枚挙にいとまがない。
そうした中で、今、トランプがヘビーローテーションしているのが、聖書も共同プロデュースしたカントリー歌手、リー・グリーンウッドの『God Bless The USA』だ。この曲のリリース自体は1984年だが、湾岸戦争や9.11など、アメリカ国民がペイトリオティックに、つまり愛国精神が喚起されるタイミングでチャート入りし、リバイバル・ヒットすることでも知られている。 今年7月19日の共和党全国大会には、リー・グリーンウッドが駆けつけ、銃撃を経て、耳に包帯を巻いたトランプが「ヒーロー」として登場する際に、この歌で会場を盛り上げた。他にも共和党の支持を表明しているキッド・ロックの『Born Free』もトランプのお気に入りの楽曲として知られている。
■ハリスは「政治的」ビヨンセで勝負 では、一方のバイデンやハリスはどのようなキャンペーン・ソングを用いてきたのだろう。 まず、バイデンは2020年、かつてオバマが大統領時代にも使用した楽曲、ブルース・スプリングスティーンの歌う『We Take Care of Our Own』を積極的に流した。オバマ政権時代の副大統領としての功績を強調し、同じ流れを汲むことを有権者にアピールするねらいが見て取れる。