中国で苦境のホンダ系部品会社が人員・能力削減の嵐、ホンダの生産台数は最盛期の6割、中国勢との取引を開拓する動きも
J-MAXは中国の車載電池大手CATLと電池関連部品の取引を拡大している。全社売上高が500億円規模の中、約60億円を投じて福建省に新工場を建設。これらを通じてCATL向け売上を4年後に4倍の80億円まで引き上げるという。エイチワンやテイ・エステックなども現地の中国EVメーカーへの拡販を進めており、ホンダの低迷した売上を現地開拓で埋めようと模索する。 もっとも中国勢への売り込みには懸念もある。中国市場では新興EVメーカーを中心に「台数優先でなりふり構わない値引き合戦になっている」(トヨタ自動車幹部)。「部品も買い叩かれて、とてもではないがビジネスとして成り立たない。数量を優先しすぎて、赤字でも途中で抜けられない可能性がある」(ホンダ系部品メーカー幹部)と警戒の声も上がる。
だからといって、既存ビジネスで食っていけないこともはっきりしている。アリックスパートナーズによると、中国市場における中国勢のシェアは2022年の45%から2030年には65%まで高まると予測する。その分、日本勢や欧米勢は押し出される。部品メーカーとしては中国勢向けを伸ばすしかない。 ホンダ系部品メーカーの多くが、ホンダが新車の生産工場を置いている広州市と武漢市向けに2拠点を構えている。今後ホンダの低迷が続けば拠点の閉鎖や集約など更なる踏み込んだ対応を求められることになりそうだ。
横山 隼也 :東洋経済 記者