【特集】行く先々で“監視”“尾行”される取材班…中国当局が警戒する“不都合な報道” 海を撮影するだけで拘束も!?「不動産不況」「史上最悪の就職難」が加速する現地の“今”を現地特派員が解説
今、経済よりも「国家の安全」を重視する中国―「NNN」の取材班が行く先々には、当局とみられる監視や尾行が…そうした中、「不動産不況」と「史上最悪の就職難」が加速しています。背景には、急拡大を続けたことによる“ひずみ”が…中国で今、何が?上海支局・渡辺容代支局長の解説です。 【動画で見る】中国特派員が実体験 尾行・監視の実態…経済傾く中国でいま何が⁉
未完成のマンションで無理やり生活…大卒者の“死んだふり”写真が相次ぎ投稿…不況の中国で、いま何が…?
世界第2位の経済大国・中国が今、直面している問題―それは、不動産不況による景気の低迷です。2023年8月には、不動産大手「恒大集団」が破産法の適用を申請。各地で住宅の建設が相次いでストップしています。
建設が途中で止まってしまったマンションの購入者たちは建設再開を訴えていましたが、その見込みはなく、ついには…。 (マンション購入者/中国SNSより) 「私たちの新しい部屋です!ベッドも2つあって、このベッドはマットレスよりは寝やすいよ」 未完成のマンションでは、すでに頭金を支払った購入者が無理やり生活を始めていました。 (マンション購入者/中国SNSより) 「問題解決しなければ、もうここから離れない。建設会社と、これ以上無駄な話をしても仕方がない」
先行きが不透明な中国経済。その影響は、若者にも及んでいます。2023年、中国のSNSに相次いで投稿されたのは、大学を卒業した若者らが“死んだフリ”をした写真。添えられたメッセージには―。 「やる気が出ない。おかしくなりそう」 なぜ、こうした投稿が相次ぐのか―その背景にあるのが、「史上最悪の就職難」です。
(22歳の大学生) 「就活は、大学生みんなが難しいと感じています」 (就職活動中の20代男性) 「面接は、多いときで1日4社ぐらい。早く仕事先を見つけないと、食費や家賃が支払えません」 2023年6月の若者の失業率は、21.3%と過去最悪を更新。5人に1人が職に就けていない状況です。こうした事実を隠すかのように、中国政府は8月、失業率の公表を中止してしまいました。
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