2024年版・カッコいいスーツスタイル、サイズの正解は? 日経読者のお悩みに答えました!
■パンツの裾 「クッション」はどうする?
松本 「私個人としてはパンツの丈感も気になるんです。年配の方は長すぎる人、逆に若い方は短すぎる人が多い気がしています」 四方 「裾上げの失敗ですね。店員さんは、たぶん最初は適切な丈感を提示したと思うんです。でもお客様の好みを聞いた結果、長すぎたり、短すぎたりと変な丈感になっているような気が……」 松本 「もちろんパンツの形にもよると思うのですが、四方さんだったらパンツの丈はどのように設定されますか?」 四方 「少し前まではハーフクッションといって、パンツの裾が靴の上で少しだけクッションするくらいに裾上げするのが主流だったんです。細身のスーツがはやっていたので、そのくらいのほうがスッキリ見えてカッコよかったんですね。今も細身のスーツを買った場合はハーフクッションでいいでしょう」 「ただクラシック回帰の今は、身幅や腰回りなどにゆとりを持たせたクラシックなバランスのスーツが増えており、裾幅も太めです。そういうタイプは、もう少し裾丈を長めにしてワンクッションさせるのが今っぽいと思います」 松本 「細身のスーツならハーフクッション、太めならワンクッションという理解でいいでしょうか?」 四方 「それがわかりやすくていいですね」
■オフィスカジュアルのインナー 何が正解?
松本 「読者アンケートでは、『きちんとしたカジュアル、オフィスカジュアルのポイントを知りたい』という意見も多く寄せられました。今回はポール・スチュアートさんにお邪魔していますので、ここのアイテムを使ってワンポイント指南をお願いします。例えば、最近はやりのジャージーやストレッチ素材を使ったジャケットを着る時のインナー選びなどはいかがでしょう。もちろん、きちんとタイドアップしてもいいと思いますが、ノータイでも品よく見える着こなし方はありますか?」 四方 「程よくリラックスした雰囲気にまとめたいのなら、夏場であれば、白のTシャツなどのカットソーを合わせるのが一番簡単だと思います。ただ、一定の品を保つためにも、生地感がしっかりしたものを選んでください。あまり薄手のペラぺラしたTシャツだと下着のように見えてしまいますから。例えば、ここポール・スチュアートではジャケットと合わせるのを前提とした『ドレスTシャツ』のシリーズを展開しています」 松本 「このTシャツ、首の後ろ側が極端に高くなっていますね」 四方 「ジャケットの襟裏に皮脂汚れがつくのを防ぐ工夫です。ネックがジャケットの襟に添うため、襟周りがきれいに見えるというメリットもありますよ」 松本 「なるほど、よく考えられていますね」 四方 「ただ、冬場にこれ1枚だとさすがに厳しい(笑)。というわけで今の時期は、クルーネックやタートルネックなどのニット製品をおすすめしたいですね」 松本 「ニット製品を選ぶコツは?」 四方 「ざっくりしたローゲージタイプだとジャケットを着た時にモコモコしてしまいますので、ハイゲージと呼ばれる、細い糸を高密度に編み込んだタイプが合わせやすいと思います。クルーネックにしろ、タートルネックにしろ、なるべく首周りのリブがしっかりしたものを選んでください。ここがダラーンとしているとだらしない雰囲気に見えてしまいます」 「またカットソー的なデザインのものは別にして、そうでない製品の場合、裾のリブがしっかりしているかどうかも注意してみるといいでしょう。裾が締まっていると、腰回りにきれいなブラウジング(生地のたるみ)が生じ、エレガントな雰囲気になりますよ」