2024年版・カッコいいスーツスタイル、サイズの正解は? 日経読者のお悩みに答えました!
■まず知っておきたい 今のスタンダード
松本 「スーツのサイズが合ってないように見える場合、今の流行からかけ離れたシルエットのスーツを着ているからということもありますか」 四方 「そういうケースもあります。スーツのシルエットやデザインにはトレンドがあります。昔買ったスーツだと、体形は変わらないのに、妙にダボッとしていたり、逆にピチピチに見えたりすることがあるものです。これは『今の目』で見るからなんです」 「トレンドはサイズにも影響しています。10年前と今では、同じ48サイズであっても各部のサイズバランスが全然違うんですよ」 松本 「年配の方にありがちなのが、バブルの時にはやったダブルスーツのような、服の中で体が泳ぐようなダボッとしたスーツを着ている方。ゆったりしたシルエットが好みでもあるのでしょうが、やはりある程度トレンドを意識したほうがいいわけですね」 四方 「その通りです。そのためにも店員さんのアドバイスを聞いたほうがいいでしょう。人によって細身のスーツが好きだったり、ゆったりしたスーツが好きだったりすると思いますが、まずは店員さんがすすめる一着に袖を通してみてください。それがおそらく今の時代のスタンダード。その上で、もう少しタイトがいいとか、ゆったりしたほうがいいとかの好みを伝えると間違いがないと思います」 「ただし、店員さんはお客様の意見を最優先しますから、あまり好みを言いすぎるとどんどん間違った方向に行ってしまうこともあります。そこはちょっと注意したほうがいいでしょう」
■ジャケットの着丈 長めが今っぽい
松本 「ちなみにジャケットの着丈にもトレンドはありますか?」 四方 「はい。2010年代ぐらいまでの細身スーツ全盛期には、極端に着丈を短くしたスーツがはやっていましたが、あれはもうやめたほうがいいですね」 松本 「今もそういうスーツを着ている人を見かけますよね。とくに30歳代、40歳代のビジネスマンの方に多いような気がします」 四方 「最近はクラシック回帰がトレンドです。そしてクラシックなスーツは着丈が若干長めなんです。今ボクが着ているスーツのようにお尻がすっぽり隠れるぐらいの長さですね。最近の既製スーツも、名のあるブランドやショップであれば、大抵着丈は若干長めとなっているはずです。オーダーする場合もその辺を意識されるといいでしょう」 松本 「着丈が長いと後ろ姿がエレガントに見えますね。身幅の選び方はどのくらいが適当でしょうか?」 四方 「ボクはあまりタイトなスーツが好きじゃないので、胸元にこぶしが入るくらいのサイズを選びます」 松本 「タイトが好きな人の場合はどうでしょう。何かの限度のようなものがありますか?」 四方 「タイトなスーツでもある程度ゆとりは必要です。フロントボタンを閉めた時に、生地が引きつれて前身ごろにシワが入らないか注意しましょう。ボタンを起点にX状のシワが入ったとしたら、そのスーツはタイトすぎます」 松本 「袖丈はどの程度に設定したら?」 四方 「腕を自然に下ろした時に、シャツのカフスが1cmほどのぞくくらいがいいですね。ちなみにシャツのサイジングにも注意が必要です。ボクのように細身の体形だと、ネックサイズで合わせると、シャツの袖が短くなってしまうことがあります。そういう場合はオーダーで仕立てるのも手です。シャツをオーダーしても、スーツほどの金額にはなりませんから」