プロ野球 Bクラスでも監督続投の不思議
監督人事のストーブリーグは鎮火
監督人事のストーブリーグは中日ドラゴンズを除き、ほぼ鎮火した。 体調的に相当無理をしていた楽天の星野仙一監督は、“サプライズ退団”が噂されていたが続投要請を引き受け、CS出場できるかどうかで、その進退が微妙だった西武の渡辺久信監督、広島の野村謙二郎監督の2人の続投も内定したようだ。実は、この2球団は、CS出場を逃していれば、監督交代の可能性が極めて高かった。西武は潮崎哲也を2013年から2軍監督に就任させて次期監督候補としての経験を積ませている。広島も、次期監督候補としてコーチの緒方孝市が有力視されていた。 落合博満氏が、中日監督時代に「監督の評価は、結果」と持論を展開していたが、まさに勝てば続投、負ければ解任という十字架を背負ってCS出場に賭けていたのである。
消去法?で残留した3監督
一方で、不可解だったのは、複数年契約を結んでもいないのに、最下位2球団を含むBクラスの4球団の監督の続投が、スンナリと決まったことである。 監督就任1年目にリーグ優勝を果たし、今季は、2年目だった栗山英樹監督の留任は、理解できるとして、最下位、5位と2年連続BクラスのDeNA、オリックス、そしてヤクルトの3球団の監督留任は、言い方は悪いが、消去法での選択としか思えない。確かにポジティブに留任理由を探せばないことはない。 【DeNA】 観客動員の増加や、中畑清監督の営業協力、負けても明るいキャラクター、若手の積極起用など。 【ヤクルト】 投手陣に予期せぬ故障者が続出して崩壊したが、小川監督の堅実なチームマネジメントは評価。戦力さえ整えばの期待値を込めて。 【オリックス】 若手を積極起用して世代交代を推し進めようとした点など。
球団経営のファンへの目線はあったか?
だが、一方でDeNAは“投手陣が整備されていない現状では誰がやっても勝てない、ならば性格が明るくファンに受けのいい監督でいいのではないか”という消去法とも思えるし、ヤクルトは、次期監督と評されていた荒木大輔氏が、まだ勉強不足と判断された“次期監督不在”ゆえの保守路線とも取れる。もっと勘ぐれば、“切り札”宮本慎也氏の監督就任までつなぐつもりかもとも思える。 オリックスに至っては、私の取材では、某大物をターゲットに次期監督交渉の調査をスタートしていたが、結局、不調に終わっている。そういう事情からすれば、新しく仕切り直すための時間稼ぎとしての森脇監督留任にも見える。 新監督を迎えれば経費もかかる。それぞれの球団事情もあっての続投となったのだろうが、その判断を下した経営者にリアルなファン目線はあったのだろうか?