元ベガルタ仙台の千葉泰伸氏、部員8人の石巻専大サッカー部で全国出場目指す・・・ガンバる東北人
石巻専大に3年ぶりにサッカー部が復活し、5月8日から部員8人で再始動した。チームを率いるのはベガルタ仙台でプレーし、マイナビベガルタ仙台レディース(現マイナビ仙台)で監督を務めた千葉泰伸さん(53)。地域貢献活動を行いながら全国出場を目標にチームを強化していく。 石巻専大サッカー部が新たな歴史をつくる一歩を踏み出した。1989年に創設も、指導者不在やコロナ禍の影響を受け2021年に廃部した。しかし、19年から同大の非常勤講師をしていた千葉さんが「この環境もったいないよね」と、部長を務めることになる永山貴洋准教授に話したことがきっかけになった。話し合いを続け、サッカーをするだけではなく大学が使命としている「地域に貢献するビジョン」も付け加え、今春に復活することになった。 集まった部員は4年生2人、3年生4人、2年生2人の合計8人。人数が足らないため、現在は基本的には練習のみ。1年目は部員の募集とチームの基礎を築くことに主眼を置き、2年目から東北地区大学サッカーリーグに加盟して試合を戦う予定。「イベントやサッカー協会主催の試合とかに学生を派遣してボランティア活動させ、人としても成長させていきたい」と千葉監督。選手としてはもちろん、人としても成長させる構えだ。 9日に行われた初練習では基礎的なパス練習から鳥かご、ミニゲームなどで約1時間20分体を動かした。練習着もバラバラで、足をつる選手もいたが、笑顔が絶えなかった。主将を務める杉浦康悦(4年)は「高校生ぶりの練習できつかった。それでも監督の本気度が伝わって、楽しかったです。この1年はメンバー全員と絆(きずな)を深められるような働きがけをしたい」。チームをまとめ、未来へつなげる。 ただ、やるからにはもちろん本気だ。4月から宮城県内のリーグ戦や、高円宮杯U―18プリンスリーグ東北などを視察し、スカウト活動も行っている。最終目標は東北地区リーグ1部に昇格し、全国大会に出場すること。長く険しい道のりだが「サッカーで石巻が盛り上がることと、学生たちが社会に出たときに石巻専大がやろうとしていることを皆さんに知ってもらって、応援してもらえるようなチームになれれば」と千葉監督。地域に根ざし、石巻を盛り上げられるほど強いチームをつくり上げていく。(山崎 賢人) ◆千葉 泰伸(ちば・やすのぶ)1971年4月11日、宮城県石巻市生まれ、53歳。石巻工卒業後、順大に進学。1994年に当時JFLの東芝に加入し、96年にベガルタ仙台の前身、ブランメル仙台へ移籍。Jリーグに加盟した99年に現役を引退した。2012から16年までマイナビ仙台の前身となるベガルタ仙台レディース、18年6月からマイナビベガルタ仙台レディースで監督を務めた。
報知新聞社