五輪エンブレム撤回 会見(4完)われわれに責任がないとは言っていない
東京五輪組織委員会は1日、佐野研二郎氏がデザインした五輪とパラリンピック公式エンブレムの白紙撤回を発表した。同日行われた会見では、一転して取り下げに至った経緯や理由、1か月以上にわたった混乱の責任の所在などについて質問が飛んだ。 【中継アーカイブ】東京五輪エンブレム問題で組織委員会が会見 以下はその全文。
これまでどれぐらいの費用が掛かった?
司会:一番後ろの隅の、手を上げていらっしゃる白いシャツの方。先ほど私、その方を指名したつもりで。違います、違います。こちら側です。はい、ごめんなさい。はい、どうぞ。 報知新聞:すいません、報知新聞のエバタと申しますが、このコンペを含めてこれまでこのエンブレムに関してどれぐらい費用が掛かったかというのを教えていただけますか。 槙:28日の会見でご覧いただいたかと思うんですけど、審査会場のレンタル費だけです。あと、若干の審査委員の方への、東京都の規定に基づく日当はお支払いしましたけれども、以上でございます。参加そのものに関してはお支払いしてませんので。これでお答えになっていますか。 司会:最初から手を上げていらっしゃる、先ほど手を上げていただいている、じゃあ真ん中の列の後ろのほうの方。 日刊スポーツ:日刊スポーツのミスと申します。原案時点でIOCの商標調査があって、複数点、原案と似ていたので修正をお願いしたとおっしゃっていましたが、その中に今回、指摘されてるヤン・チヒョルト氏のものがあったかどうかというのに付随して、なぜ前回、つまりIOCが調査したときは修正をお願いすることによってオーケーだったのに、今回は原案に似てるから駄目だということで取り下げることになったのか。その理由を詳しく教えていただけますか。 武藤:今回のヤン・チヒョルトさんのものはありません。ありません。これはあくまでも商標登録されてるものの検索でございますから。われわれがそれを認識したら、それを修正するというのは通常の発想だろうと思います。 原案が似てたからどうするっつっても、もはやそれはもう過去のものでございますので、似ているか似ていないかということについての判断をするしかありません。これを修正するということはもう、意味がありませんのでですね。当初決まったものを、似てるものがあるからっていう段階では修正する価値があります。しかし発表して全てを決まって、それは過去の原案であったというものが似てるものがあるっていうことになると、まったく次元の違う問題になるんじゃないでしょうか。 司会:どうしてもという方。それでは同じ真ん中の列。はい、その方。 東京スポーツ:東京スポーツのマツオカと申します。先ほどから一般国民の理解が得られない懸念があったというお話をされていますが、その一般国民というのはいったい誰のことを言ってるんでしょうか。要は組織委員会としてアンケート調査をしたとか、報道機関の世論調査を参考にしてるのか。そういう、誰のことを言ってるんでしょうか。 武藤:これは、メディアの皆さんも国民がどうだというような言葉は使われるし、政治家の方とかいろんな方が、国民がどうだとおっしゃいますけれども、おっしゃるとおり、これは、それは誰なのかと言っても答えはないと思います。問題はさまざまなメディアを通じ、あるいはそれ以外のものも通じて出てきた意見というものを総合的に判断すると。それしか答えは出ないんじゃないんでしょうか。 司会:その横に座っていらっしゃる方。 朝日新聞:朝日新聞のコバヤシといいます。新国立競技場の問題に続いてまた今回のエンブレムの問題で、どちらもある意味、オリンピックを象徴するようなものだと思うんですけれども、そういった立て続けにこういった事態が起きていることについて、大会の組織としてはどういうふうに考えられているのかっていうのをおうかがいしたいんですけれども。 武藤:国立競技場と今回のエンブレムを並べて議論するというお考えも分からんではありませんけれども、あちらは国が造られる施設の問題であり、こちらは組織委員会がつくるエンブレムの問題であって、考え方としてはわれわれは別のものとして、国立競技場との関連で何かを考えたということはありません。一般の人たちが考えると、このオリンピックに2つの問題が起こったというふうに考えることは分からんではありませんけど、私どもの判断は私どものエンブレムについてきちっと考えていくというのが、われわれの立場であるということを申し上げさせていただきます。