五輪エンブレム撤回 会見(4完)われわれに責任がないとは言っていない
デザイン界の常識に乗っかってしまった?
司会:失礼しました。その方。 読売新聞:読売新聞のオオノといいますが、先ほどからお話をうかがっていますと、誰も悪くないように聞こえるんですね。佐野さんは模倣してないとおっしゃってて、その意見を組織委員会で尊重されてると。デザインの先生方はそういうのはよくあることだとおっしゃっていた。組織委員会は、そういうふうに皆さんが言うから取り下げに了承しましたとおっしゃっているんですけれども、どうもやっぱり話の根本を突き詰めていくと、一般の常識からかけ離れたデザイン界の方々と、その常識に乗っかり続けた組織委員会の方々、それが今回の、まあ当然佐野さんのデザインの問題もあるかもしれないですけども、その両者が今回の問題の根幹にあるような気がするんですけども、事務総長としてはどういうふうにお考えでしょうか。 武藤:デザイン界の特殊な考え方に乗っかり続けたっていう事実は、何を指しておっしゃっておるのか、私どもはそのように考えていません。28日までの長い、リエージュの問題は、それは法律上の問題として起こったわけですけれども、それに対しては法律的な議論としてオリジナリティーを説明できるという、デザインの方々の意見ももちろん聞きましたけれども、法律論としてもそういうことができるということを議論し、これはIOCと、まあ訴えられたのはIOCだってこともあるんですけれども、IOCと連携を密にしながらお話をしてきました。 それから土、日に起こった事柄については、むしろ意見に乗っかって判断したのではありません。意見は踏まえましたけれども、むしろ一般の理解を得にくい話だということで、しかしこれは永井先生のような専門家も、その点はまったく同感であるというふうにおっしゃっていただいた。ですから、そういうデザインの特殊なものに乗っかってなんかが進んでたという事実は、私はないんじゃないかなというふうに思います。 司会:初めての方で手を上げ続けられている方、いらっしゃいますか。はい、じゃあその女性の方。 フジテレビ:フジテレビのマチノと申します。先ほど、これ以上、信用低下をしないようにということをおっしゃいましたが、新国立の撤回について、やはりこれは大きなイメージダウンで経済的損失というもの大きいと思われます。こうしたイメージダウンによる経済的損失をきちんと今後、明らかにするべきではないでしょうか。また、それを見極めた上で、責任者に対する処分というものも必要なのではないでしょうか。 武藤:経済的損失ということになると、国立競技場とまったく議論は違うと思います。私どもはエンブレムの持ってる経済的な力っていうものはあるとは思いますけれども、施設に関する経費とそれを一緒にするのはちょっと無理があるのではないかなというふうに思います。 それから責任ということに対しては、われわれは決して責任がないなんていうことは申し上げておりません。大変申し訳なく思っております。しかしそれを、新しいエンブレムをつくって、一刻も早く国民の皆さまの支持を得られるようなものをつくっていく、それが最も大事なことではないかというふうに考えるわけであります。 司会:時間も押し迫ってまいりましたので、じゃあこの一番、女性の方、はい、その方。 朝日新聞:朝日新聞のウシオと申します。2点、すいません、簡単なのでうかがいますが、審査員のお1人が、まったく盗用ではない、取り下げる必要はないというふうにおっしゃったということですけども、それがどなたであるのかということを伺いたいのがまず1点と、あと、今日、午前中に佐野さんを呼んだということなんですが、それは虎ノ門でよろしいのでしょうか。 武藤:虎ノ門に呼びました。それから、これは審査員の中身のものは公開していませんので、誰というのは申し上げられないというふうに思います。 司会:その前の方。手を上げてください。はい、そのまま。 東京新聞:東京新聞のナカヤマと申します。よろしくお願いいたします。確認レベルの話なんですけれども、土、日の転機となったとされる、この原案と似てると言われているヤン・チヒョルトさんの作品、それと展開を説明する写真に酷似するとされた別の写真。それぞれについて、例えばヤンさんの作品であれば、いつ、どこで展示されたのであるとか、写真についてもどういった内容なのかということを詳しく、分かる範囲で具体的な内容をちょっと教えてほしいのと、指摘があったというのはインターネット上でいいのかどうかを教えてください。それと、質問じゃないんで要望なんですが、それぞれの原案が似てるとされる写真、図であるとかこの展開の写真であるとか、もし可能ならこの画像を提供していただけないかというのは質問と別途、要望なんですが、申し上げさせていただきます。 武藤:画像の提供はできる? 槙:できないです。 武藤:できない。われわれはその所有者ではないので、われわれもネットの中から検索したものを見てるわけなんですね。ですからわれわれのほうから提供するという立場にはありません。それに尽きることになります。 東京新聞:ヤンさんはどういった、どこの展示会で?。 武藤:ヤンさんの、これもネットの情報によると、2013年に銀座で行われた展覧会ということですね。