ギズモードの映画好きが選ぶ。今年一番面白かった映画7本
『ソウルの春』
1979年に韓国で発生した軍事クーデターをテーマにした骨太サスペンス映画。 韓国に住む人たちですら、その夜の全貌を知らなかったという禁断の出来事を圧倒的かつ明確なヒーロー vs ヴィランで描いた本作は、私の全身の血を煮えたぎらせるほどのパワーを持っていました。 クーデターを起こしたチョン・ドゥグァン役のファン・ジョンミンは、今年最も憎まれた俳優間違いなし。あまりの嫌われっぷりに、ジョンミンのイメージ回復(+人々の溜飲を下げるため)を目的に、彼がボコボコにされる映画もよく見られたのだとか。 それほど人々の感情を揺さぶった『ソウルの春』。韓国国民の4人に1人が鑑賞したほど支持されたのも納得です。(中川真知子) 視聴方法:Amazonプライム(レンタル)、Hulu(レンタル)、U-NEXT(レンタル)、YouTube(レンタル)
『人体の構造について』
今年も色んな映画を見ましたが、一番衝撃的だったのが『人体の構造について』。 人間の体の内側なんて、これまで見たことありませんでした。手術現場を追ったドキュメンタリーである本作では、大腸や背骨といった人体の内側を、外科手術を通してありありと見せつけます。 特に印象的なのは帝王切開のシーン。苦労の末、赤ちゃんが取り出されるシーンには、他の映画では味わえない、リアルだからこそ心揺さぶるカタルシスがありました。 かなり見る人を選ぶ映画だと思います。でも、描かれているのは生命への賛美。自分たち人間が生きてるのってこんなに尊いことだったんだと思わせてくれる、貴重な映像作品です。(小野寺しんいち) 視聴方法:劇場で公開中
『夜明けのすべて』
映画は、過去からの光。 『となりのトトロ』のキャッチコピー、「このへんないきものは、まだ日本にいるのです。 たぶん」にならうなら、本作は「この世界はどこかにあるのです。たぶん」だと思いました。 主人公は、パニック障害と月経前症候群(PMS)をそれぞれ抱える男女で、「生きづらさを抱える現代人に寄り添う優しい映画」と評されることが多く、たしかにその通り。 でも、それだけじゃない。 500光年先の星が、500年前の光をこの夜空に瞬かせているように、暗闇の中で瞬く映画は、かつて誰かが何かを願い、それを光と音にして残そうとした「奇跡」のかけら。 そんな当たり前の事実に気がつかせてくれた映画だから、僕はエンドロールを迎えた瞬間にとてつもなく感動したのではないかと思うんです。(照沼健太) 視聴方法:Netflix、Amazonプライム(レンタル)、U-NEXT(レンタル)