井上尚弥が初対面ロマチェンコと世界最強ツーショット「将来的な話(対戦)はなくはない」発言の真意とは?
WBO総会のレセプションパーティーが5日、東京都内のホテルで行われ、スーパーフライ級時代にWBOのベルトを7度防衛したWBA世界バンタム級スーパー,IBF世界同級王者の井上尚弥(26、大橋)が参加、初来日したWBO、WBC、WBA世界ライト級の統一王者、ワシル・ロマチェンコ(31、ウクライナ)と初対面して握手を交わした。リング誌が制定しているパウンド・フォー・パウンドの2位がロマチェンコで3位が井上。“世界最強の2人”が東京で歴史的なツーショット写真に納まった。ロマチェンコは「彼については詳しく知らない」とそっけなかったが、井上は「将来的な話はなくもない」と、将来、階級を上げ対決するドリームプランを口にした。注目のWBO世界バンタム級王者、ジョンリル・カシメロ(30、フィリピン)との統一戦の電撃合意発表はなかったが、井上は、改めて「来春米国ラスベガスで統一戦」と宣言した。井上への注目度は高く、その世界的な価値を再認識させられるようなWBO総会となった。
ロマチェンコ「井上のことは詳しく知らない」
まさかロマチェンコと東京で初遭遇することになろうとは夢にも思わなかったのだろう。 「ロマチェンコが日本にいるって違和感がありますね」 ロマチェンコとの世界最強ツーショット写真に納まった井上は、そう言って笑った。 「オーラ? ありますね。リスペクトをこめて」 階級を取っ払って誰が最強か?を決めるランキング、パウンド・フォー・パウンドは、権威ある「リング誌」が定めているものをボクシング関係者やファンは信頼しているが、その最新ランキングではロマチェンコが2位で、井上が3位。ちなみに1位は、WBA世界ミドル級王者、村田諒太がターゲットにしているWBO世界ライトヘビー級王者を獲得したばかりのサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)だ。 つまり世界最強トップ3のうち2人がWBO総会の会場となっている東京ドームホテルで肩を並べたのである。 ロマチェンコはパウンド・フォー・パウンドの意義を聞かれてこう答えた。 「1位であることが何を意味するのか。それはやってきていることが素晴らしく、正しい方向に向かっている。見ている人が好きでいてくれているということだ」 井上は、これまで、パウンド・フォー・パウンドの順位を「結果としてついてきているだけの他人が決めたもの」と興味を示してこなかった。だが、世界的プロモーター、トップランク社と契約し、今後、米国が主戦場となることが決まり考えに変化が生まれてきたという。 「トップランクと契約してプロとしてアメリカに挑んでいく上で、自分の商品価値を一番、見られるランキングだと、ここ最近、思うようになった。そこは大事にしながらいきたいなと。トップランク社と契約してから少しずつ気持ちは変わってきた」 そして井上は、4階級上のロマチェンコについてこう語った。 「ボクサーとしては、よく見ている選手。自分の階級を上げて、将来的な話(対決)もなくはない。そういうイメージで少し見ていた。そんなに体格も変わるわけじゃない」 「今は現実的な話ではない」のエクスキューズがついたが、今後、バンタム級からスーパーバンタム級、フェザー級と階級を上げてロマチェンコが下げてくれれば、井上VSロマチェンコのドリームマッチが実現する可能性も「なくはない」。 「35歳で引退」を掲げている井上は、かつて最後の3年間をフェザー級で戦うという未来構想を語ったこともある。 実際、2人が共に契約しているトップランク社のトップ、ボブ・アラム氏が、「今後フェザー級に上げる可能性のある井上がロマチェンコとやりたがっている。ロマチェンコも元来は、フェザー級の選手。彼はいろんな勝負が考えられる」と、井上VSロマチェンコ戦構想をリップサービスしている。