最新BUNGUから推し活まで、7万点が集まる「文具女子博2024」に潜入!
2024年12月12日から15日にかけて、パシフィコ横浜で開催された「文具女子博2024」が、文具好きたちの熱気で沸き立った。同イベントは、日本最大級の文具の祭典として知られており、今回は過去最多の174社が出店。7万点以上の文具が集結した。ICTを活用した最新文具や学校現場になじみの深いアイテムを中心に、イベントの模様をレポートしよう。 【画像】「Neo smartpen」シリーズ。画像左から「Neo smartpen A1」、「Neo smartpen M1+」(グレー・ブラック) ■ 手書き×デジタル、リモート授業にも活用できる「Neo smartpen」 NeoLAB株式会社のブースでは、紙に書いた内容をそのままデジタル化する「Neo smartpen」シリーズを出品。エントリーモデルの「Neo smartpen dimo」(8,900円・税込)やフルスペックモデルの「Neo smartpen M1+」(16,300円・税込)、2024年最新モデル「Neo smartpen A1」(17,200円・税込)が並び、多くの来場者が実際に体験していた。 Neo smartpenは、専用の「Nノート」に手書きした文字や図を、リアルタイムにデジタル化。専用アプリ「Neo Studio」でデータを共有し、GoogleカレンダーやGoogleドライブとの連携が可能となっている。 最新モデル「Neo smartpen A1」は、スマートペン初のゲルインキに対応。滑らかな書き心地がアピールポイントだ。また、USB Type-Cの充電に対応しているほか、アプリと連携していなくても、A4サイズで約30ページ分のデータを一時保存できるメモリーを備えている。 書いた文字は、アプリで編集でき、文字の色や太さを変えるほか、マーカーで色を付けることができる。 書いたデータを共有する際は、PDFやPNG、SVGなど、さまざまなファイル形式に対応しており、筆記と音声の動画共有やURLでの共有が可能。特に筆記の共有は、イラストの制作過程やグラフィックレコーディング、漢字の書き順や計算手順を教える際など、多くのシーンで役立ちそうだ。 さらに、教育現場で役立つのは、Web上のブラウザ遠隔板書ツール「Grida Board」と組み合わせた使い方だ。Grida Boardにアクセスして、Neo smartpenとBluetooth(BLE)を搭載したPCに接続すると、ビデオ会議ツールを利用したリモート授業で、手元の板書を簡単に共有できる。これを使えば、ホワイトボードを映すことなく、教材や資料に直接書き込んで児童生徒の顔を見ながら授業できる。 音声を録音しながら記録できる「録音再生機能」も便利だ。例えば、会議や授業を記録するときに、箇条書きでメモを取ると、後で音声を確認する際に任意の場所から頭出しができる。手書きで保存した文字は、テキストに変換して共有することも可能だ。 スケジュール管理は、専用の手帳「N planner」で行う。「デジタルで予定を管理しているが、手書きの手帳も手放せない」という人は少なくないだろう。両方に予定を書き写すのは手間であると同時に、書き忘れるリスクもある。Neo smartpenを使うと、デジタル・アナログ同時に情報を記録できるのはもちろんのこと、LineやSlack、メールで簡単に共有できて便利だ。 手書きで描いたイラスト付きのスケジュールも、そのままデータ化して共有できる ブースでは、さまざまな判型の「Nノート」や「IDEA PAD」のほか、先行販売となるスクエア型のノートも展示・販売。「スクエアノート」は、罫線・方眼・無地・ビッググリッドの4タイプを展開していた。 ■ 「iNSPiC memo」で貼って楽しむ! 新しいメモのカタチ キヤノンマーケティングジャパン株式会社の企業内起業ichikara Lab(イチカララボ)は、感熱方式ミニプリンター「iNSPiC memo(インスピック メモ)」のコンセプトモデルを参考出品した。 iNSPiC memoは、スマートフォンやタブレット端末とBluetoothで接続し、専用アプリから印刷ができる、手のひらサイズのプリンター。同製品の特長は、インク不要の感熱ロール紙を使っている点。ロール紙はシールタイプなので、印刷物は「ラベル」や「メモ」のほか、学習時に図版やグラフをノートに貼り付けるといった、さまざまな用途で活用できる。 キヤノンでは、「SELPHY CP1500」や「SELPHY QX20」「inspic PV-223」など、ミニフォトプリンターを複数展開しており、ブースでは、体験コーナーを設置。高画質の画像を貼り付けて、ライフログやミニアルバムを作る活用法を提案し、多くの来場者でにぎわっていた。 ■ 黒板ふきや液体のり、定番文具が進化したアイデア商品が集合! 文具女子博2024では、食べ物のモチーフや推し活グッズなど、ユニークな文具が人気を集める一方で、チョークや液体のりといった、学校でよく使う定番文具も、新たな魅力を発揮していた。 国内シェア7割を超える「ダストレスチョーク」を製造・販売する日本理化学工業株式会社は、黒板ふきをモチーフにした商品を多数展示。消しゴムや画面クリーナーのほか、ユニークな「おひるねまくら」も注目を集めていた。 一方、「どうぶつのり」で知られる不易糊工業株式会社は、同社のキャラクター「フエキくん」をモチーフにしたコスメシリーズを展開。「コスメシリーズ」のハンドクリームやリップクリームを多数展示し、多くの来場者が手に取っていた。 液状のりの「アラビックヤマト」を展開するヤマト株式会社は、コンパクトなスティックのりや、手が汚れにくい液体のりなど、使いやすさを追求した商品を展示。特に、天然由来のタピオカでんぷんを使用した「ヤマト糊 タピコ」は、子供が安心して使える点が特徴だ。 株式会社デビカのブースで目を引いたのは、「文具女子博」にピッタリな、指サック「メクリボン」だ。パステルカラーや、ストーン付きのデザインが人気で、事務作業を楽しくしてくれる。 さらに、パッケージ製作の株式会社松浦紙器製作所が運営する文具ショップ「紙季彩々 -shikisaisai-」は、進学塾と共同開発した付箋「Sticky Notes Study Tips」を出品。ラインナップは、「日本地図」「世界地図」「生活」「人体」「多機能箋」で、地図や人体のパーツなど学習用途に役立つ。 古川紙工株式会社は、美濃和紙を使った事務用品の収納ボックスを出品。高さ266×幅212×奥行62mmの「ライフスタイルツールファイルB5」と、高さ245×幅88×奥行88mmの「ライフスタイルツールボックスM」の2種を展開していた。 ファイルを開くと複数のポケットが現れ、ハサミやペンなどを整理整頓できる。ボックスは、重ねて収納できる設計で、使わないときはコンパクトに片付けられる。オフィスだけでなく、リビングでの家庭学習にもお勧めだという。 デジタルとアナログ、両方の良さを生かしながら、日常の小さな「困った」を解決し、心に彩りを与えてくれる文房具。「文具女子博」には、老若男女の心を捉える文具の“沼る”世界が広がっていた。 なお、同イベントは、定期的に全国で開催されている。次回は、2025年1月10日から20日までオンライン開催されるほか、2025年3月6日から9日の期間は「文具女子博in大阪2025」、4月17日から22日の期間は「文具女子博 pop-up in 博多2025」が開催予定だ。とっておきの文具で、新たな学期や年度を始めてみてはいかがだろうか。
こどもとIT,本多 恵