福島・郡山の飲食店ガス爆発事故 点検業者職員1人を在宅起訴
福島県郡山市の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で2020年7月にガス爆発が起きて28人が死傷した事故で、福島地検は26日、点検機関「郡山エルピーガス保安管理センター」(郡山市)の50代男性職員を業務上過失致死傷罪で福島地裁に在宅起訴した。 この事故では当時の店の運営会社社長ら4人がいったん不起訴処分となり、福島検察審査会が24年1月に「不起訴不当」と議決。地検が再捜査していた。他の3人は改めて不起訴処分とした。福島地検は1人の処分を変更した理由について「検審議決を受けて再捜査し、有罪を立証するだけの十分な証拠を得られた」と説明した。 起訴状によると、男性職員は店内の厨房(ちゅうぼう)のガス管が腐食していたのに必要な調査をせずに見落としてガス爆発を発生させ、1人死亡、27人に重軽傷を負わせたとしている。ガス管は一部がコンクリート床に接触して設置され水の影響を受けやすかったうえ、腐食防止処理もなされていなかったという。 この事故で死亡した内装会社社員の男性(当時50歳)は容疑者死亡で不起訴となり、検審に審査が申し立てられず確定している。【錦織祐一】