藤原彰子役も話題! 見上 愛、23歳女子。「自分はかなりオタク気質だと思います」
「調べるうちに、寺山修司ってめちゃめちゃ面白いと思い始めた」(見上)
樋口 23歳にして自分の哲学がそこまで完成されているのは、本当に凄いと思います。そもそも俳優を志したきっかけというのは? 見上 両親がもともと観劇好きで、私が中学2年生の時に父が「2.5次元ミュージカル」の舞台チケットをもらって家族で観に行ったんです。そこでお客さんたちがすごく楽しそうに帰っていく姿を見て、舞台ってすごいパワーを秘めているんだなと驚いて。それから観劇にハマって、照明や劇評、演出家など演劇系の仕事に就きたいと考えるようになりました。 樋口 ご両親の影響が大きかったのですね。 見上 そうですね。それで大学も演出の勉強ができるところに入りました。 樋口 はじめに目指したのは表舞台に立つ方ではなく、あくまでも裏方側だったんですね。でも、それでは世間が許してくれないです! 見上 アハハ(笑)。中高は芸能活動禁止だったのもあって、表に出る仕事をやろうと思ったことはまったくなかったです。ただ大学のAO入試の受験資格を取る目的で、高校時代に今の事務所の養成所で1年間学んだことがきっかけで、その流れでそのまま所属することになり今に繋がっています。 樋口 そうなんですね! 見上さんは高校時代、演劇部で寺山修司の舞台を演じたというのを聞きました。寺山修司は、53歳のおっさんの僕よりさらに上の世代に信者が多いような人なのに、 見上さんの世代から名前が出てきて一気に親近感が湧きました。これはどういうことなんでしょう!? 見上 大学に入るために高校の部活も演劇部に転部したんですが、初日から「オーディションで人が足りないから受けて」と寺山修司の『犬神』という作品の台本を渡されたんです。まったくわからなかったんですが、「とにかく動いてみて」と言われて受けたら合格してしまって。 樋口 人が足りなかったからだけじゃないと思います!
見上 いえいえ(笑)。それから色々調べながら、みんなで脚本を読み解く作業をしていくなかで、寺山修司ってめちゃくちゃ面白い! と思い始めて。この世界にもっと興味が出ましたね。 樋口 難しいとは思わなかったですか? 見上 難しかったです! 演技もしたことがないし、訳がわからなくてできないと思ったけど、だからこそ「なんでこんなこと書いたんだろう」「ちゃんと調べよう」と思うようになって。そしたら、どんどん面白くなってくるんですよね。 樋口 興味を持つとのめり込んで色々調べるタイプですか? 見上 そうですね。かなりオタク気質だと思います。 樋口 高校時代は演劇部と並行して、バンド活動もやっていたそうですね。一体、いつ寝てたんだ? っていうくらいの忙しさ! バンドは、どのあたりをカバーしてたんですか? 見上 GO!GO!7188、チャットモンチー、THE BLUE HEARTSあたりです。女の子のスリーピースだったので。あとは、チューリップとか昭和歌謡曲も色々やってました。 樋口 チューリップ!! 上の世代が多いですね! 見上 お父さんお母さんが見に来てくれるので、そこをターゲットにやっていました。 樋口 なるほど! THE BLUE HEARTSは僕が高校生の頃にライブに行きましたし、チャットモンチーも初ライブを見に行きました。1st アルバムを出す前に、下北沢のライブハウスに出ると聞きつけて、前から何列目かで見ました。無駄に長く生きてるおっさんの自慢話です! 見上 アハハ(笑) 凄いです!! 後編に続きます。