骨太の方針 「中身がスカスカ。これでは“骨太”ではない」石川和男が批判
政策アナリストの石川和男が6月22日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。政府が示す経済財政政策の基本的な考え「骨太の方針」について、「中身がスカスカ。これでは“骨太“ではない」と批判した。
政府が毎年、重要課題や翌年度予算編成の方向性など、基本的な経済財政政策を示す「骨太の方針」(正式名称「経済財政運営と改革の基本方針」)。今年は3年ぶりに国や地方の借金を削減していく財政健全化の目標「プライマリーバランスの黒字化」を掲げたことが焦点のひとつとなっている。 赤字国債の発行、「国の借金」が増え続けている背景について石川は「私が1989年に当時の通産省、今の経産省に入省したバブルの真っ最中の頃は、国債といえば建設国債だった。道路や河川の堤防などインフラ整備が進み、建設業界が潤って、そこから消費が喚起されていく循環だった。しかし、バブル崩壊後はそういった循環はうまく行かなくなった」と振り返った。 また、ゲスト出演した岩手保健医療大学理事で経済評論家の濵田敏彰氏は「バブル崩壊後の経済低迷で、政府は同じ循環を再現しようとした。だが実際に、バブル崩壊以降何に一番お金をたくさん使ったかっていうと社会保障費だった。特に、少子高齢化が始まった2001年の小泉政権の頃から多く支出され始め、年金や医療など高齢者向けの福祉を中心とした費用がものすごく増えていった」と指摘。 これに石川は「社会保障費が足りないから国債発行して、それを経済対策だと言ったとしても、それは“浮つく”ためのお金にはならなかった」と応じた。 さらに濵田氏は「プライマリーバランスを黒字にしたからといって、これからどんどん成長していくかというと、それはわからない。円安、物価高で金利は上がると言っている国債の残高は、GDP比で約2年分及ぶ。これはちょうど、太平洋戦争の末期の水準に近い。この状況について、今後どのようにしてくのか。先送りが繰り返されてきたなか、今回も具体的な実現への道筋が示されているとは言えない」と言及。 石川は「骨太の方針とか言っているが中身はスカスカで、これでは骨太とは言えない。こんなスカスカなものを発信しても、誰にも響かない。もっと刺激的なもの、例えば消費税増税するだとか減税するだとか、そのくらいのことを盛り込まないと世間は注目しない」と批判した。