じつは「二極化」がすすむ…「トランプラリー」に沸く株式市場にひそむ「大きなリスク」
日本が大きな影響を受けるアメリカの経済やマーケット。次期アメリカ大統領がトランプ氏に決まったことで、市場も大きく反応しました。トランプラリーと呼ばれる相場が続くとも言われている中、日本市場の動きも気になるところです。またアメリカ国内はどんな状況になっていくのか。なかのアセットマネジメント(https://nakano-am.co.jp/)代表の中野晴啓さんにお話を伺っていきます。(2024年11月7日取材) 【マンガ】iPhoneが発表された日にアップル株を「100万円」買っていたら 前回記事<株式市場における構図が「崩壊」した…! 「衆院選」「総裁選」後のなんとも不思議な「日本株」の動き>より続く。
トランプ氏の当選でアメリカはどう変わる?
インタビュアー川崎さちえ(以下、川崎):2024年11月5日のアメリカ大統領選挙で、トランプ氏が当選しました。6日の日本市場は反応して、日経平均株価も上昇しています。トランプラリーと言われるような相場が続くと思われていますが、中野さんは今後の相場をどう見ていますか? なかのアセットマネジメント代表 中野晴啓さん(以下、中野さん):トランプラリーがこの先ずっと続くかどうかは、トランプ大統領がどれだけ政策をおし進めていくのかにかかっているように思います。日本の政治も不安定になっていますが(1回目の記事参照)、実はアメリカも安定しているとは言えません。トランプ大統領は関税を強化する、一方では国内の減税も進めると言っています。海外には厳しいけれどアメリカ国内は守るというのがトランプ政策の根幹です。でも減税をした場合、そのお金はどこから出てくるのでしょうか。財政支出という形にはなるでしょうが、その資金は国債増発で調達することになるので長期金利が上がっていくことになります。結果、アメリカの産業界には逆風が吹いてしまいますよね。借り入れをしている企業もたくさんあるので、金利が少し上っただけでもかなりのインパクトです。また調達コストも上がるので、商品の価格に反映されればインフレの再燃に直結します。