スペイン語圏からの移民の影響大? ラテン音楽が席巻した“2024年アメリカ音楽シーン”を考察
◆ラテン系アーティストがグローバルチャートに台頭
続いてラボメンバーたちは、Bad BunnyやPeso Pluma(ペソ・プルマ)といった、スペイン語圏のアーティストの人気に注目します。 ミクア:10位のFeid(フェイド)ってアーティストは知ってる? 私は聴いたことがないんだけど。 メアリー:Feidはコロンビア人のアーティストだよ。 ミクア:ああ、わかった! ツアーに出たって話を聞いたことがある。知り合いで彼のコンサートに行った人がいるよ。 メアリー:レゲトンのアーティストだよね。この人のことは全然知らないんだけど、Bad Bunnyと一緒に仕事をしていて、それがきっかけで人気が出たんじゃないかな。 メアリー:ところでPeso Plumaは知っている? ミクア:聞いたことはある。この人もFeidやBad Bunnyと同じくスペイン語で歌うアーティストで、メキシコの歌手。すごく人気があるよ。それにしても、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)よりも上なのか。まあ、たしかにそうかもね。 メアリー:Bad BunnyだってArianaより上だよ。 ミクア:Bad Bunnyの人気は凄まじいからね。 メアリー:世界的にめちゃくちゃ人気だよね。 ミクア:Arianaも敵わないかも。 メアリー:とにかく、スペイン語圏のアーティストの勢いがものすごいよね。でも変だなって思うのは、こうしたグローバルチャートのアーティストって、去年のグローバルアルバムのトップ10にはあまり入ってこないんだよ。 アルバムチャートに入っているのってほとんどが女性。Taylor Swift、Billie Eilish、Sabrina Carpenter(サブリナ・カーペンター)、Ariana Grande。なんだか格差があるように思えて変な感じ。 ミクア:グローバルシングルチャートのトップはSabrina Carpenterの「Espresso」だね。 メアリー:確かに、その曲はどこに行ってもかかっていた。 ミクア:今年は間違いなく彼女の年だったよ。 メアリー:あと、Billie Eilishの「Birds Of A Feather(バーズ・オブ・ア・フェザー)」はすごくいい曲だよね。大好き。 ミクア:彼女のアルバム『Hit Me Hard And Soft(ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト)』はいいよね。ファンというわけでもないけど、あのアルバムは本当によかった。 メアリー:面白いのが、ビリーのアルバムのなかに「Chihiro」って曲があるでしょう? あれってアニメ映画「千と千尋の神隠し」からインスピレーションを得たんだって。 Bad BunnyやPeso Plumaなど、人気の高まりを見せるスペイン語圏のアーティストたち。その背景には、アメリカにスペイン語圏からの移民が増えているだけでなく、英語ではない多言語の歌に若者たちが聴き慣れてきた背景も大きいと考えられています。また、何よりも踊れるキャッチーなビートが人気の秘密のようです。 一方で、グローバルチャートで爆発的人気の男性アーティストたちは、アルバムチャートにほとんど登場しません。それどころか、1位から8位までは女性アーティストが占めています。 1.Taylor Swift『The Tortured Poets Department』 2.Billie Eilish『Hit Me Hard and Soft』 3.Sabrina Carpenter『Short n’ Sweet』 4.Karol G『MAÑANA SERÁ BONITO』 5.Ariana Grande『Eternal Sunshine』 6.Taylor Swift『1989 (Taylor’s Version) 』 7.SZA『SOS』 8.Taylor Swift『Lover』 9.Benson Boone『Fireworks & Rollerblades』 10.The Weeknd『Starboy』 グローバルアーティストのトップに君臨するTaylor Swiftは、アルバムチャートになんと3枚もランクインしていました。また、Billie Eilishのアルバムに収められている「Chihiro」もグローバルな音楽シーンを感じさせます。「2024年はスペイン語で歌うアーティストが席巻し、アルバムでは女性の作品が売れまくった、そんな流れが見えてきましたね」とシェリーはコメントし、話題を締めくくりました。 (「NY Future Lab」放送より)