静岡学園－高知　前半7分、先制点を決めた静岡学園・天野（左）＝浦和駒場スタジアム

　サッカーの全国高校選手権第3日は12月31日、さいたま市の浦和駒場スタジアムなどで2回戦16試合を行い、静岡学園は2－0で高知に勝利し、16強入りを果たした。静岡県代表の16強入りは、静岡学園が8強入りした第100回大会以来3大会ぶり。1月2日の3回戦は同スタジアムで6年連続30度目の出場の高川学園（山口）と対戦する。 　【評】静岡学園は好機をものにし、高知を2―0で破った。 　激しいプレスに苦しみながらも、地力の差を見せつけた。前半7分、MF佐々木からボールを受けたMF天野がゴール前に切り込み、先制弾を放った。だが、その後は高知の高い強度の守備で追加点を挙げられず、1－0で折り返した。 　流れを変えようと後半12分、サイドバック2人を交代。14分には途中出場したDF野田のアシストでMF篠塚が追加点を挙げた。

少ない決定機逃さず　MF天野、篠塚が堅守突破

静岡学園―高知　後半14分、2点目を決めて喜ぶ静岡学園・篠塚

　静岡学園は去年阻まれた2回戦の壁を突破した。個人技を押し出すプレーに対し、複数人でプレスをかけられシュート本数は4。だがともに攻撃的MFの天野、篠塚が少ない決定機を逃さなかった。全国初得点の天野は「1回戦で決められなかった分のエネルギーを込められた」と胸を張った。 　川口監督が「マークされやすいFWの後ろから飛び込める」と期待するインサイドハーフの2人が機能した。天野は右サイドからのパスに反応し、相手DFをうまくかわして押し込んだ。序盤に先制点を決めたことで焦りはなくなった。 　後半、追加点が欲しい場面で2点目を決めたのは篠塚。右クロスに合わせて飛び出し、ネットを揺らした。2戦連発のラッキーボーイは「全国で（2戦続けて）決められたのは、大きな手応えになった」と笑顔を見せた。 　2戦連続での無失点に、守備陣も手応えを感じている。高知県大会29得点のチームの攻撃を押さえ込み、DF岩田は「やりづらさはあったがいい経験になった。攻撃と守備の切り替えもできてきた」。攻守に隙のない静岡学園が頂への道を突き進む。