大谷、メジャー行くなら二刀流封印? ── メジャーで二刀流が好まれない訳
不可解な形で辞任してしまったロン・ワシントン元レンジャーズ監督に日本の野球についてインタビューする機会があった。 日本の野球スタイル、ダルビッシュ有らメジャーで活躍する日本人選手らの話が中心だったが、サムライジャパンのメンバーの中で、マークする選手、見るのが楽しみだという選手はいるか?と聞いたとき、「パッと名前は出てこないが、聞けば思い出すかもしれない。名前を挙げてみてくれ」というので、チームに選ばれるであろう何人かの名前を出すと、「オオタニ」と口にしたところで、身を乗り出すようにして、「オッ、知ってるぞ」と反応した。 「たしか・・・TWO-WAY PLAYERだろう」 アメリカではいわゆる二刀流のことを「TWO-WAY PLAYER」と呼ぶが、きちんとそのことを把握していた。スカウトの資料にでも目を通したか、編成会議で名前が出たか。そこまではさすが明かさなかったが、大谷翔平の今年の成績を聞かれたので、「10勝、10本塁打」に到達目前だと伝えると、「それは凄いなぁ」と低く唸った。 さらに興味深げに、「日本には、彼のような選手が多いのか?」と聞くので、それを否定した上で、ベーブ・ルース以来、いや、メジャーでもベーブ・ルースだけだと伝えると、ワシントンは、「メジャーでは・・・」と言ったあと、少し間をあけ、やや寂しげに言葉を継いだ。「これからもそういう選手が出てくることはないだろうなあ」。 --なぜですか? 「ドラフトされるまではそういう選手はいる。しかし、プロ入りした後、適正を考えて、どちらかに絞らせる」 --なぜ絞らせるのか? 「2つを追えるほど、甘い世界でもないが、怖いのはやはりケガだ。投げない日は、守り、打つとする。だが、そこにはいつも故障のリスクがある。肘にデッドボールを受けるかもしれない。他の野手と衝突するかもしれない。走塁のときにケガをするかもしれない。逆のケースで、投げていて肘や肩を壊すかもしれない。そうなると、打撃の方にも影響が出るかもしれない」