エステバン・オコン

　F1第9戦カナダGPで、アルピーヌはピエール・ガスリーが9位、エステバン・オコンが10位に入り、今季初のダブル入賞を果たした。開幕当初は入賞すらままならない状況だっただけに、チームとしては喜ばしい結果となったが、オコンはチームが下した決断に納得いっていない様子だった。 【動画】角田裕毅、2025年RB残留決定に喜びのコメント 　レース終盤、入賞圏内を争う戦いは非常に接近したものとなっていた。オコンは角田裕毅（RB）を交わして8番手に上がったが、その角田がスピンしたことでガスリーも入賞圏内の10番手に上がってきた。そして残り3周でオコンがダニエル・リカルド（RB）に抜かれて9番手に落ちると、その背後にはガスリーが迫った。 　そして70周のレースの69周目で、チームはポジションスワップを指示。ガスリーが9番手、オコンが10番手となったが、この時点で8番手リカルドとの差は約2秒。ガスリーは最終的にその差を1.3秒まで縮めたがバトルに持ち込むには至らず、むしろ後ろのオコンが0.292秒差に迫ってのチェッカーとなった。 　レース後、終盤のポジションチェンジについて説明するよう尋ねられたオコンは、こう返した。 「いや、あれは説明できないね」 「僕はドライバーとして常に指示に従ってきた。今回だってそうだ。僕はナイスガイなんだ！」 「僕は自分の仕事をしたけど、正直チームはそうではなかった。フェアじゃなかった。この展開にはとても苛立っている。色んな理由があると思うけど、今回は“疑わしきは罰せず”といったところかな」 　また、最後にリカルドを攻略できなかったガスリーにポジションを返してもらえなかったことに納得できないのかと尋ねられたオコンは、そもそもポジションスワップに意味がなかったと話した。 「ダニエルとは2秒以上の差があったからね。あと1周しかないなら、レッドブルでも追いつけないよ」 「だから意味のないことだった。自分たちが何をしているのか分かっていないのか、どのくらい（リカルドが）離れていたのか分かっていなかったのか……正しい判断ではなかった」 　オコンはカナダGPの直前、今季限りでチームを離脱することが発表された。そのため、残りのシーズンにおける立場も難しいものだと言える。ただオコンは、残りのレースも全力を尽くすだけだと語った。 「いつもと同じように、手にしたものでベストを尽くすだけだ。それは変わらない」 「僕の周りにいるエンジニア、メカニックなどのチームとは仲も良くて、毎日僕のためにパフォーマンスを引き出そうと頑張ってくれている。今日、彼らは僕たちのレースを誇りに思ってくれたと思うし、そこはまた別の話なんだ」