知らなかった!「鮭」と「サーモン」の違いって?栄養士ライターが解説
「鮭」は生食NG、「サーモン」は生食可
スーパーなどの鮮魚売り場では、同じ切り身でも「鮭(サケ)」と「サーモン」が区別されています。実は、「鮭(サケ)」とラベルに表示されているものは、基本的に生食ができません。天然ものの鮭はアニサキスなどの寄生虫を持っている可能性があるためです。アニサキスは60℃以上・1分以上の加熱調理またはマイナス20℃以下で24時間以上冷凍した場合に死滅するとされています。近年は冷凍保存技術の発達で刺し身用の鮭も流通していますが、そういう場合を除き、必ず加熱して食べるようにしましょう。
一方、「サーモン」と表示されたものは、養殖された「アトランティックサーモン(タイセイヨウサケ)」「トラウトサーモン(ニジマス)」「キングサーモン(マスノスケ)」である場合が多く、エサの管理が徹底された環境で育つため寄生虫の心配がいりません。生食用として刺し身コーナーで売られているものは、生で食べて大丈夫です(ただし新鮮なうちに食べてくださいね)。
知っていた? 身が赤いのに実は「白身魚」です
鮭もサーモンも、身の色が鮮やかなオレンジ系なので「赤身魚」と思いがちですが、実は白身魚に分類されています。身が赤く見えるのは、エビやカニにも含まれるアスタキサンチンという色素成分によるもの。餌として食べているエビやプランクトンの影響によるものだと考えられています。アスタキサンチンは強い抗酸化作用が特徴です。鮭やサーモンに含まれる栄養成分については続編の関連記事を参考にしていただけたら嬉しいです。 ※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、藤原昌高著『からだにおいしい 魚の便利帳』高橋書店,2010、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018
野村ゆき