「守ってくれているもの」を知っておけば AGフレンズ 村田貴子さん
働けなくなったときに
傷病手当金は、被用者保険(国や地方公共団体、法人などに雇われる従業員やその扶養家族が加入する健康保険)の被保険者が、病気やけがで休業中、被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。病気やけがのために会社を休み、事業主からじゅうぶんな報酬が受けられない場合に支給されます。 一日の支給額は、「支給開始日以前12カ月間の各標準報酬月額(※3)を平均した額÷30日×2/3」に相当する額です。 例えば、月40万円の給与(額面)をもらっている人が1カ月休業した場合、1カ月分の支給額は約27万円です。支給要件に合えば、通算1年6カ月まで支給してくれます。もちろん何かあった場合の貯蓄も必要ですが、いざとなったときはこの制度があると思うと、心強いですね。 ※3「標準報酬月額」 社会保険料の計算をしやすくするために、被保険者(従業員)が得た給与などのひと月分の報酬を、一定の範囲ごとに区分したものをいいます。支給要件などの詳細は図③を参照してください。 今回は二つの社会保障制度を紹介しました。どちらも、何かあったときに前向きに生きていけるような、支えになる制度です。「守ってくれているもの」を知っておくことで、賢く豊かに人生を送っていくことができるのではないでしょうか。 これからも世の中の情報にアンテナを張りながら上手に活用して、40代、50代を輝かせていきたいですね。 ■著者プロフィール 村田 貴子(むらた たかこ)さん 証券会社勤務、銀行勤務を経て、現在は「ほけんの窓口グループ株式会社」の教育部担当部長。 多くのお客さまの心配事や悩みを解決するファイナンシャルプランナーとして勤務後、3千人以上の社員教育に携わる。その他、銀行・保険会社向け研修も担当。最近は、高校生向けの金融授業、小学生向けのキッズマネーセミナーも実施。「資産形成」についてのセミナーも力を入れており、ライフプランを踏まえて資産形成を考えることの重要性を伝えている。 文=村田貴子さん 写真=品田裕美撮影
朝日新聞社