スーパーの『レジに椅子』作業効率や負担軽減のため導入増加 「印象悪化」店は気にするが、多くの客は「座って接客“あり”」 医師も“立ちっぱなし”に警鐘
■導入を試みるも「不評」の職場も
一方、このスーパーは以前、イスの導入を試みたそうだが… フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長:実際に座っている姿はあまり見なかった。 大阪市阿倍野区にあるフレッシュマーケットアオイでは、レジ仕事の合間に少しでも座ってもらおうと、イスを試験導入した。 しかし、店員からは「不評」だったそうだ。 店員:イスがあっても休憩するわけではないし、お客さんとの目線も違ってしまうので、ない方がいいのかなと思う。今までの流れに慣れてしまっているので、かえってそこに違う流れを入れると、違う筋肉を使う。そうなるとちょっとしんどい 一度は断念しましたが、内田社長は「座ることなどで負担がない状態で、働くことができる職場の環境を整えたい」と考えている。 フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長:(現在は)立ってレジを打つのが前提の仕組み。社会的な考え方も、機材そのものの考え方も、座ったままが前提の社会になれば、抵抗なくみんながやってくれるようになると思う。 レジや接客を座ってすることが「当たり前」になる時代は、いつになるのか。
■座っての接客をしない理由「なんとなく、特に理由はない」
「newsランナー」吉原功兼キャスターが「座ってイイッスPROJECT」が開発をしたイスに座ってみたところ、「高さがあり、深く腰かけているわけではないので、すぐ立ち上がることができ、接客の体制をとることができると」感じたそうだ。 こういった接客どのくらい広がっているのか。 マイナビの調査では、パート・アルバイトが座って接客することに関して、「原則許可していない」、「ルールはないが座ってない」と回答した会社は、44.3%だった。 その理由は、 1位お客さんからの印象悪化を防ぐため、 2位なんとなく、特に理由はないということだった。 一方で、サービスを受けるお客の立場ではどうなのか?事前に番組のLINEでアンケートを取った。 座って接客が「あり」は84.3%、「なし」は15.7%。 「あり」の理由は「スムーズに買えたらいい」、「なし」の理由は「客に対し失礼」ということだった。 お店としては印象悪化を気にしているが、客側はそれほど気にしていない。 関西テレビ 神崎博報道デスク:経営者側としてはそう思うけれども、実は利用者側の番組のLINEアンケートの結果ではそこまで思ってということなので、もしかしたらギャップがあるかもしれませんし、一方で働く人の側から見ると、例えばですけど今、接客業の募集をかけてもなかなか人が集まないと聞きますので、労働環境を少しでも良くしていけば、立ち仕事ではなく座れるということになれば、働いてみようかという人が出てくるかもしれません。労働環境も考えると、座るというのは、アリなんちゃうかなとは思います。 京都大学大学院 藤井聡教授:『なし』と答えた人が15.7%おられますが、ヨーロッパ行ったりして、座ってレジ打ってくれる体験とか、僕らよくあるわけですよね。それがあるから僕らは全然、違和感ないですよね。だから、一度見られて見ると15.7%の方も実はそのほとんどの方が、『あり』だと言われるのではと思います。僕の知り合いでも、立ち仕事を何十年もやって、ものすごい腰痛で苦しんでいる方もおられますから、座るようにした方がいいと思います。 働きたいという高齢者の方や妊婦の方も働きやすい環境を提供できるのではないだろうか。 (関西テレビ「newsランナー」2024年6月28日放送)
関西テレビ