スーパーの『レジに椅子』作業効率や負担軽減のため導入増加 「印象悪化」店は気にするが、多くの客は「座って接客“あり”」 医師も“立ちっぱなし”に警鐘
■接客での立ちっぱなし問題を解消 きっかけは「明確な理由がないこと」
このような状況を、改善しようという動きが、いま活発になっている。 「レジ仕事は立ちっぱなしを強いられている」として、5月、労働組合の「#座ってちゃダメですかプロジェクト」のメンバーが、厚生労働省に改善を求める要望書を提出した。 厚労省は「今後、関係団体などに現状を確認するヒアリングを検討したい」としている。 さらには… 記者リポート:神戸市にある、ドン・キホーテに来ています。こちらの店のレジ方は…座っています。 この店では、ことし4月から全てのレジにイスが設置された。 立ったままレジを打ち、客の波が引いたら座る、という形で、使われている。 イスは座面が高く軽く座れて、立ち上がりやすい作りになっている。 これまでレジの担当者は、1日であわせて最長8時間立ちっぱなしで、足腰を痛める人が続出していたが…。 店員(20代):足がずっとだるかったり、疲れやすくて、腰も一時期すごく痛めていた。(Q.イスの導入で体の痛み、改善された?)そうですね。だいぶ違うと思う。本当に、終わった直後の疲れが違う。長時間シフトが入っている時は、前よりは気楽に仕事に取り組める。 このイスを開発し、接客での立ちっぱなし問題を解消しようと取り組んでいるのが、アルバイトの求人情報サイトを運営する「マイナビバイト」だ。 取り組むきっかけは何だったのか? マイナビバイト「座ってイイッスPROJECT」南波直樹さん:海外に行った際、海外のスーパーだと座ってるのが当たり前。日本と違う部分に気づいたところが一番のきっかけ。企業などに意見を聞くと、(立ちっぱなしの)明確な理由がないことに気付いた。『なんとなく立っていたほうが、見栄えがいい』とか、『礼儀正しそうに見える』とか、抽象的な意見が多かったので、それであれば立つことが絶対ではないと再確認できた。 プロジェクトが開発したイスは、6月の時点で、およそ50社が購入していて、ドン・キホーテの店舗の中には、海外さながら、座ったままレジをする形で取り入れているところもあるということだ。 「失礼に見えないか」など客の反応を心配していたそうだが… 買い物客:イスあるんや~とは思ったけど、だからって不快感はない。自分の立場やったら楽やろうなと思うし。 買い物客:いいと思います。やっぱしんどいもんね。私も立ち仕事やったから、着圧ソックスとか履いてた。休憩のときは足あげたい~みたいなね」 今のところ、否定的な意見は来ていないそうです。 店員を雇う側にとっても、良い効果が出ているということだ。 MEGAドン・キホーテ神戸本店 来栖正大店長代理:腰に負荷がかかるアルバイトの方が大勢いて、実際に体調崩したり、辞める人がいた。イスを導入する前より、そういった理由で辞めるスタッフは少なくなった。(求人の)プラスの要素にはなると思う。打ち出していけたらなと思います。