INTMAX、イーサリアム上で世界初の「ステートレス」L2ソリューションを始動

INTMAXは12月16日、世界初となる「ステートレス」なイーサリアム・レイヤー2ソリューションのパブリックテストネットをローンチしたと発表した。 ステートレスとは、ブロックチェーン上でユーザーの状態（残高やトランザクション履歴など）を保持する必要がない設計手法で、イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン（Vitalik Buterin）氏が提唱しているコンセプトでもある。 ブテリン氏は過去にCoinDeskのインタビューで「ステートレス」について「クライアントは、ステート（状態）を保存しないこと以外は、基本的に通常と同じ承認を行う。リアルタイムで状況をつかみ、マークル証明を使って承認を行うだけ」と説明している。従来のレイヤー2ソリューションでは状態（ステート）データの保存と管理が必要だったが、ステートレスとなることでスケーラビリティの向上が可能となる。 関連記事：ヴィタリック・ブテリン氏、イーサリアム 2.0を支える新技術を解説 新プラットフォームは、ZK（ゼロ知識証明）ロールアップ技術を活用し、オンチェーンデータを5バイトで処理する。これにより、世界中の人口をカバーする処理能力を備えながら、ネットワークの混雑状況に関係なく、トランザクション手数料を0.5セント（0.76円、1ドル＝152円換算）未満に抑制することが可能になるという。 INTMAXプロジェクトを手掛けるRyodan Systems AG（本社スイス）代表取締役の日置玲於奈氏は「テストネットのローンチと、今後の高度なアルゴリズム『Intmax2』の稼働により、かつてない機能が提供されます。イーサリアム上で驚異的なトランザクション量を処理し、今後のクリプトの普及に必要なプライバシー機能も実現します。ステートレスは、ブロックチェーンの次のフェーズへの『スタートゲーム』を表しています」とコメントしている。 2024年初頭には「INTMAX Wallet」をリリースしているINTMAXは現在、ラテンアメリカ、アフリカ、日本などで戦略的パートナーシップを構築している。特に金融インフラが不十分な地域において、従来の金融サービスとブロックチェーン技術の橋渡しとなることを目指している。 ｜文：栃山直樹｜画像：リリースから