キヤノン「EOS R1」画像編レビュー 注目の画質&AF性能を実写でチェック!
「EOS R1」機能編レビューでは、基本的なスペックのほか、特徴的な機能を紹介しました。今回は、撮影した作例をもとに、いくつかの機能を具体的に紹介していきたいと思います。 【写真】シャッターを切った瞬間から最大20コマ分さかのぼって記録する「プリ連続撮影」。野鳥や昆虫など、思いもよらぬ動きをする被写体も狙った瞬間が撮影できる
■圧巻の被写体認識AF、ブラックフリー撮影も快適 改めて、EOS R1のスペックを簡単に振り返ってみることにします。キーデバイスであるイメージセンサーはフルサイズ有効2400万画素裏面照射積層CMOSセンサー。このイメージセンサーは新開発で、注目は積層型と銘打っているところでしょう。積層型とは、裏面照射型イメージセンサーの配線部分をフォトダイオードの周囲に配置するのではなく、フォトダイオードと基板の間に入れたものを言います。そのため、マイクロレンズとフォトダイオードの間には何もなく、結果集光効率が高く階調再現性や高感度特性などが向上すると言われています。常用での最高感度はISO102400を実現しています。 映像エンジンは従来の「DIGIC X」に加えて「DIGIC Accelerator」を搭載。これらのシステムを総称して「Accelerator Capture」と言うようになりました。大量の画像データの解析や高速のAF処理、AE検出を行うほか、トラッキングや被写体認識AF、あらかじめ人物の顔をカメラに読み込ませておくとその人物を優先して検出する登場人物優先なども、このAccelerator Captureが貢献。撮影をパワフルにサポートします。 AFはクロスAFを採用。ファインダーエリア内すべてで縦線検出と横線検出のフォトダイオードを規則的に配列することで実現したといいます。これにより被写体の捕捉精度が向上し、横線移動が多い被写体などでも粘り強くトラッキングを行います。そのトラッキングは「デュアルピクセル Intelligent AF」により強化され、一度捕捉した被写体への食いつきはさらに向上しています。被写体認識機能である「検出する被写体」も人物/動物優先/乗り物優先の3つのモードを搭載。「人物」は瞳/顔/頭部/胴体/上半身、「動物優先」は犬/猫/鳥/馬、「乗り物優先」はモータースポーツ(クルマ、バイク)/鉄道/飛行機に対応します。 作例の撮影では、「人物」ではサッカーを、「動物優先」で馬を、「乗り物優先」で鉄道と飛行機を狙ってみましたが、それぞれ動く被写体であるにもかかわらず捕捉精度はきわめて高く、実用的といえます。さらに「アクション優先」では、サッカー、バスケットボール、バレーボールの3つのスポーツを対象に、それぞれの特有の動きをする人物をカメラが瞬時に認識し、ピントを合わせます。被写体や撮影意図などによっては、どの機能を選べばよいか選択に悩んでしまいそうです。