「どんなときでも飲料水をすぐに届けるのが絶対的な使命」 目指すは北東北3県で最も愛される飲料会社 みちのくコカ・コーラ
圧倒的に多い事業所数が強み すぐに駆けつけられる機動力もウリ
同社の強みは、競合に比べて圧倒的に多い事業所数にある。 「競合と比べて非常に充実した体制となっていることから、何かあった際にすぐに駆けつけられる機動力も大きな強み。従業員それぞれが自分の判断で動けるような状態になっている」と胸を張る。 谷村社長が日頃語っているのは、同社は飲料会社でありつつも、地域に飲料水を提供しているという点では“地域のインフラ会社”でもあるという点。 「天災など何かあれば、経済的価値や事業価値というのは完全に無視して、飲料水をすぐに届けるのが絶対的な使命」と力を込める。 この使命を肌身で感じたのは、東日本大震災だったという。 「被災地で最初に求められるのは、生きるために必要な水(飲料水)になるが、被災1~2週間後になると、糖分や塩分が求められるようになり、さらに1か月後になるとリフレッシュニーズが出てくる。時の経過とともに中身を変えていく必要があることを、この時に学んだ」と振り返る。 混乱回避のため災害時の支援ルートの必要性も学びの1つに挙げる。 「支援要請されたものの、現場の担当者同士で“どこに運んだらよいか”や“支援商品は納品になるのか寄付になるのか”といった混乱が生じた。このような煩雑さを無くそうと各自治体様との協定締結を推進していった」という。 東日本大震災以降、みちのくコカ・コーラは自治体と災害協定締結の動きを加速。2009年に6カ所(岩手県2ヵ所・秋田県2ヵ所・青森県2ヵ所)だった締結先は、23年8月時点で104ヵ所(岩手県35ヵ所・秋田県27ヵ所・青森県42ヵ所)へと拡大して北東北3県全自治体との締結を完了した。 締結後も関係構築の維持向上に意識して取り組んでいる。 「当社の従業員はみな、本当に地域に溶け込み完全に地域の一員になっており、自発的に動いている。そうした中で行政の方とは、ご担当が変わるたび、後任にしっかり引き継いでいただけるように訪問している」と説明する。