高校No.1投手・今朝丸裕喜“阪神2位指名”のウラ側で…「ライバルで親友」報徳学園“もうひとりのエース”が見たドラフトの内幕「指名の瞬間は…」
ドラフト会議で阪神から2位指名を受けた「今季高校No.1投手」の呼び声も高い報徳学園の今朝丸裕喜。実は今朝丸には、同じチームに1年時から切磋琢磨を続けた“親友”で“ライバル”でもある選手がいる。その彼が見た、ドラフトの運命の瞬間とは。《全2回の1回目/つづきを読む》 【現地写真】「こ、これはエモい…漫画みたい」阪神に2位指名された今朝丸に花束を渡す“ライバルで親友”間木の表情…U18日本代表での仲良し焼肉ショットや甲子園での2人の熱投の様子も見る 10月24日に行われたドラフト会議。 報徳学園の今朝丸裕喜が阪神から2位指名を受けると、同校の会場に並んだチームメイトたちの大歓声が響く。その後、グラウンドでテレビカメラやスチールカメラの光を浴びながら今朝丸の胴上げが始まった。 仲間にもみくちゃにされながら輪の中で見せた今朝丸の満面の笑みが、間木歩の目には羨ましくも、眩しく映った。 「指名の瞬間は、2位というより“阪神なんや”って。ホンマに良かったなって思いました」 クールな表情を見せるも、高揚気味だったのか間木の声が弾んだ。 地元の、しかもチームメイトが「阪神だったらいいな」と話していたところでの上位指名。大騒ぎする仲間の中で、間木は輪の後ろで今朝丸の姿を静かに目で追っていた。
報徳学園「ダブルエース」だった今朝丸と間木
今朝丸とダブルエースとしてマウンドを分け合い、共に過ごしてきた2年半。3度、聖地に立ち、どんな時も隣にいた。天真爛漫でどこか天然なところがある今朝丸に対し、クレバーで落ち着いて物事と向き合える間木。キャラクターは対照的だが、取材に訪れるたびに2人は練習時や移動時、食事の時もいつも一緒に行動していた。練習がオフの日は一緒に出掛け、時に今朝丸の家に間木が泊まりに行くほど親交が深い。 性格は真逆。同じ投手でライバル同士だが、今朝丸とは“親友”のような間柄だ。 「世の中ってないものねだりみたいなところがあるじゃないですか。お互いにないところがあって、あるところがない、みたいな。僕と今朝丸がまさにそんな感じだったので、うまくはまったんじゃないのかなって思うんです」 2人の関係性を、間木はこう語ってくれたことがある。性格が対照的だから分かり合える部分、そしてリスペクトし合える部分が多いのだという。 2年前の春。共に報徳学園の門をくぐった今朝丸とは、実は出会った時から意気投合していた訳ではなかった。 「実は今朝丸がいたグループの中に、自分とはあまり合わないヤツがいて(苦笑)。それで自分からはなかなか話しかけづらくて」 今朝丸は入学してすぐにAチームに帯同していたため、Bチームにいた間木とは最初は練習を共にすることはなかった。一緒にAチームで汗を流すようになったのは1年生の夏が終わった直後の新チームから。 その頃から徐々に会話が増え始め、互いの内面も知り合うようになっていった。 2人が1年生の秋、公式戦のエース番号は2年生の盛田智矢(現・青学大)が背負い、今朝丸が背番号10、間木が背番号11。先発・リリーフなどあらゆる役目をこなし、秋の近畿大会、そして翌春のセンバツでは準優勝。期待された夏の県大会は5回戦で敗れたが、今朝丸と間木のダブル右腕が柱となる新チームは、周囲からの期待が高かった。 間木は、チームのキャプテンにも任命された。 特進コースに所属する間木は、平日は7限の授業を受けるため練習に合流できるのは早くても16時を過ぎてから。さらに土曜日にも授業があるため、練習試合も日曜日しか参加できない。 間木が不在の間はセンターを守る副キャプテンの福留希空(のあ)が練習を取り仕切る役目を担い、いわば“ダブル主将”のような体制を敷いていた。 大角健二監督は、間木をキャプテンに指名した理由をこう明かす。 「下級生の時から先輩に対してはっきり意見を言える精神力の強さがあったからです。普段のミーティングでも自分の意見を言えますし、腹の括り方がいつも冷静なんです」 2人にとって3年目のセンバツの背番号は、間木が「1」を背負った。 しっかり者の主将をエースに立て、チームは2年連続のセンバツ準優勝も成し遂げた。 だが、4月末に県大会準々決勝で東洋大姫路に1-5で敗れた直後に、キャプテンをこれまで“現場リーダー”だった副キャプテンの福留に交代することを指揮官に告げられる。
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