本当に日本が終わる…予想より20年以上早い出生数70万人割れ “なにもない”地方に求めたいこと
29年後のはずが7年後に
石破茂総理がもっとも力を入れる政策のひとつが「地方創生」だ。12月24日には、これから施策を進めるための「基本的な考え方」をまとめた。それによれば、人口減少を正面から受け止め、そのうえで「『都市』と『地方』の二項対立ではなく、楽しく、安全に暮らせる社会」をめざすという。石破総理自身、会見で「若い世代、女性の方々が地方から都市へ流出していくことがきわめて顕著だ」と危機感を示し、閣僚会議でも「若者や女性にも選ばれる楽しい地方をつくることを第一の主眼にする」と強調していた。 【写真】「子どもに外食させて親は自炊」 世帯年収1000万円はもはや「勝ち組」ではない
至極正論である。(1)なにをするにも「人口減少」を「正面から受け止め」る。(2)歴史や伝統に根差した地域の潜在的な魅力を引き出し、都市へ行きたいと思わせない地方を創出する。この二つは、日本のサスティナビリティを考えたときに、絶対に欠かせない必須項目だと考える。 なにしろ、2024年に国内で生まれた日本人の子供は68万7,000人程度で、70万人を下回るのが確実となっているのだ。少子化が進むスピードは想像を絶している。統計がある1899年以降、はじめて100万人の大台を割る97万6,979人となり、もはや日本には未来がないかのような衝撃が走ったのは2016年のこと。それからわずか8年で3割も減少した。 国立社会保障・人口問題研究所が2017年に予測した「日本の将来推計人口」では、出生数が80万人を割るのは2033年、70万人を割るのは2046年とされていた。もちろん、この予測には、人口減を食い止めるべく警鐘を鳴らすという目的もあり、予想を下回ってほしいという希望も込められていたわけだが、現実には、29年後に想定されていた70万人割れは、わずか7年後に訪れたのである。 少子化対策をいくら掲げたところで、現実に少子化の勢いが増している以上、日本の国土をどのように活用または保全し、インフラストラクチャーをどう整備または維持するか、という点において、抜本的な見直しをするほかあるまい。その場合、「地方創生」もかなりアグレッシブに行わないかぎり、実効性が得られないだろう。