【熱帯夜の睡眠】「寝るときに冷感グッズを使っていい? やってはダメな使い方って?」に医師が回答!
寝るときの冷感グッズ利用で体が冷えすぎないか心配!
毎日暑い日が続くシーズンに突入。夜も気温が下がらず、寝苦しい日が続き……安眠できない悩みは切実。そんな30代・40代が抱える「熱帯夜睡眠」の悩みや疑問に、睡眠専門医の井坂奈央先生がお答え! 今回は、「寝るときの冷感グッズの使用」について聞きました。 熱帯夜、快適に寝るコツを睡眠専門医がアドバイス(写真)
■30代・40代女性の、熱帯夜に使う冷感グッズに関する「リアルな悩み&疑問」! ・「夏はピローパッドやマットレスの敷きパッドを夏仕様の冷感タイプにチェンジします。ひやっとして気持ちいいので毎日使っていますが、体が冷えすぎないか心配です」 ・「とにかく暑がりな私。夏の夜は、氷枕や氷のう、ゲル剤入りの保冷枕、タオルで巻いた食品用保冷剤などを複数個使って、後頭部や首を冷やしてしのいでいます。毎晩ここまで冷やしてどうにか熱帯夜を乗り切れている感じですが、『実は冷やしすぎは体によくない!』とか、『余計暑がりになる!』とかあるのでしょうか?」 ■睡眠専門医がお答え! 冷感グッズの使用による健康への影響は? 【監修】 Dクリニック東京ウェルネス 睡眠センター長 井坂奈央先生 大学病院や専門医療機関で長く睡眠障害の診療にあたってきた睡眠専門医。いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩む患者に病態やライフスタイルに合わせた治療を提案している。 ■冷感グッズはアイテム選びと使うタイミングが重要 「冷感グッズには、寝具タイプやシート、氷枕などさまざまなタイプが。それぞれ使うべきタイミングや注意すべき点などが異なりますので、使い分けが必要です」 ■冷感寝具で体が冷え切ることはないので熱帯夜におすすめ 「冷感寝具の使用は、たとえば20度前半くらいの低めの室温ですと体が冷えすぎる可能性はあるものの、一般的な冷感寝具を使用する室温(24度以上)で使用する分には問題はないです。寝具などに使われる一般的な冷感生地や持続冷感シートは、氷のように物質自体が冷たいわけではなく、熱を吸熱・放熱することで冷たさを感じるもの。接しているときにずっと冷たさをキープするわけではないため、体が冷え切ることは考えられません。反対に、体の表面温度の高くなった部分を効果的に吸熱してくれるので、寝苦しい季節には効果的です」 ■持続冷感シートなどは入眠時に使うと効果的 「首につけるクールリングや、おでこなどに貼って使用する冷感シートのようなグッズの使用も問題ありません。氷ほどの冷たさはなく、使い始めてから短時間で冷たさも和らぎますので、寝入りのタイミングにほどよく体を冷やしたいときによいでしょう」 ■氷枕など凍っているものの場合は長時間使用に注意が必要 「注意しなければならないのは、氷や氷枕など、物質自体が凍っているアイテム。凍ったものを長時間体に当てたまま寝るのは、低温火傷のリスクがあるので避けましょう。熱帯夜対策の基本は、エアコンで室温自体を24度~26度にコントロールすること。保冷グッズはあくまで補助的なものと考えましょう」 就寝中は、凍ったアイテムの使用は避けて。 取材・文/櫻木えみ