米国野球殿堂発表!ジーター氏は史上2人目の満票に1票足らず、ウォーカー氏は「資格最終年度の魔法」で選出
米国野球殿堂が米国東時間21日午後6時(日本時間22日)に発表され、元ヤンキースの名ショートで、松井秀喜、イチローらと共にプレーしたデレク・ジーター氏(45)と、ロッキーズなどで活躍し通算2160安打、383本塁打を刻んだラリー・ウォーカー氏(53)の2人が選ばれた。ジーター氏は資格1年目、ウォーカー氏は、殿堂候補最終年となる10年目での殿堂入りとなった。米国の野球殿堂は、全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上所属している記者によって投票され、75%以上の得票となれば殿堂入りとなる。 ジーター氏は、ヤンキースでワールドシリーズを5度制覇、20年間で、通算3465安打、260本塁打、打率.310の成績を残した。キャプテンとしてチームを引っ張り、その紳士的な人格は、ファンに支持され絶大な人気を集めた。14年に現役引退、現在は、マーリンズの最高経営責任者を務めている。引退から5年が経過し、殿堂入り資格を得た1年目での合格となったが、事前の“公開投票“では、100%の投票率を得ていて、昨年、史上初の満票で殿堂入りした元ヤンキースのストッパー、マリアノ・リベラ氏に続き、2年連続の100%得票率での殿堂入りは確実と思われていた。だが、ふたを開けると全397票のうち、396票を獲得して、得票率は99.7%。わずか1票足らずに満票を逃した。 またウォーカー氏は、304票、得票率76.6%での殿堂入り。米国殿堂では、「資格最終年度の魔法」と呼ばれる現象があり、それまでギリギリで殿堂入りとならなかった選手が、最終年度に記者からの「これで最後だから」という同情票を集めて一気に票を伸ばして選ばれるケースが過去に6度あった。 昨年度も、通算成績が物足りなく票を伸ばせなかったマリナーズのフランチャイズプレーヤーであるエドガー・マルティネス氏が10年目に合格、2017年にも、エクスポズなどで盗塁王4度獲得の俊足の外野手として活躍したティム・レインズ氏が「最終年度の魔法」で殿堂入りしていた。資格最終年での殿堂入りは他には、レッド・ラフィング(1967年)、ジョー・メドウィック(1968年)、ラルフ・カイナー(1975年)、ジム・ライス(2009年)がいる。 ウォーカー氏は、事前の“公開投票”では83.5%の合格ラインに届いていた。だが、これらの”公開投票”は、資格者の一部だけが明らかにしているもので、実際の票は、10%前後下がると見られていて「ギリギリで落選」と予想されていた。「最終年度の魔法」の力は思いのほか大きかったようである。
またレッドソックスやダイヤモンドバックスなどで通算216勝を挙げたカート・シリング氏(53)、薬物使用疑惑があり殿堂入り資格があるかどうかについての議論が続いてきたメジャー通算最多本塁打記録762本塁打を持つバリー・ボンズ氏は、241票で60.7%、サイ・ヤング賞を最多の7度受賞、通算354勝を記録しているロジャー・クレメンス氏は242票、61.0%で落選となった。