3回目の施政演説を行った「フィリピン・マルコス大統領」…国内は問題山積みも「対中政策」は高評価
官民連携で開発が進む「国際空港事業」の動向
公共事業プロジェクトのなかでも注目は、官民連携で開発が進むサングレー・ポイント国際空港の開発事業です。 ユチェンコグループ傘下のディベロッパー・ハウス・オブ・インベストメンツ社(HOI)は、フィリピン競争委員会(PCC)からサングレー・ポイント国際空港(SPIA)プロジェクトの合弁事業を承認されたことを発表しました。 このプロジェクトは、カヴィテ州政府と、カヴィテックス・ホールディングス社とHOIによるコンソーシアムとの間の取引で、PCCの承認により正式にスタートします。HOIは、2023年3月にPCCへの申請を行い、今回の承認はその結果です。 SPIAプロジェクトは、サングレー・ポイント空港を国際ハブ空港として開発することを目指しています。2023年2月には、SPIAコンソーシアムとカヴィテ州政府が合弁事業契約を締結しました。 コンソーシアムには、フィリピン企業のマクロアジア社とともにHOIが参加しており、韓国のサムスン電子の建設部門であるサムスンC&T社、ミュンヘン空港国際社、オーヴェ・アラップ・アンド・パートナーズ香港社もプロジェクトに関わっています。 総額110億ドルのこのプロジェクトは、2022年にカヴィテ州政府からコンソーシアムに授与されました。第一段階として、2028年までに4本の滑走路のうち最初の1本が完成する予定です。第二段階では、年間7500万人以上の旅客に対応可能な2本の滑走路と施設が整備される計画です。 現在、同空港は、ニノイ・アキノ国際空港の補完的な滑走路として、フィリピン政府によって運営されています。このプロジェクトの実現により、フィリピンにおける航空輸送の強化が期待されます。
家村 均