犬スポット訪問記(1)「木曽・犬帰りの淵」犬は本当に帰ったか?
『狐ケ淵』『狸ケ淵』と、これも気になる名前の淵を2つ過ぎて林道を10分も車で走れば『犬帰りの淵』につく。ここで何を確かめたかったかというと、「犬は本当に帰るのか」ということである。早速、マメを使って実験だ!と思ったが……今は橋がかかっていて誰でも越えられるではないか!
ともかく、いったん橋を渡ってみる。すると、脇から断崖の淵まで降りられそうな場所を発見。足元に気をつけながら、マメと一緒に道なき道を崖っぷちまで進む。さあ、マメはどうする?
帰った! 帰りました! 数秒間崖の向こうを見て、あきらめて道路に戻り、橋を渡ってスタコラサッサと元来た方へ。
淵にヌシは潜んでいたか?
これにて『犬帰りの淵』の逸話の真実性が証明され「めでたしめでたし」……なのだが、後日談がある。そう、やはり「魚はいるのか?」というのが気になった。幽玄な淵にはいかにもヌシ級の大物が潜んでいそうなのだが、逆に水がきれいすぎて生き物の気配が希薄な感じもする。これは確かめねば……。
ということで、約1週間後に今度は竿を持ってマメ抜きで再訪。あえて阿寺川の釣りに関する事前情報は調べずに、確率が高そうなエサ釣りで『犬帰りの淵』の少し下流から釣り上がって行く。
結果は……完全ノーフィッシュ! アタリすらなし! 僕の腕の問題なのか、たまたま条件が悪かったのか。『犬帰りの淵』そのものにも竿を出したがサッパリであった。ここは『釣り人帰りの淵』でもあるのか……。
帰ってから釣りサイトなどで調べて見ると、水が冷たすぎてもともと魚影が薄く、透明度が高いため魚の警戒心も強くてなかなか難しいポイントらしい。また、釣りポイントは『犬帰りの淵』よりも上流域のようだ。ただし、上流部は熊出没ポイントでもあるそうなので、僕はちょっと次はないかな、という感じではある。
というわけで、僕もマメも帰りに帰った『犬帰りの淵』であった。木曽川との合流部に戻ると、夜の帳に消え入りそうな霧の風景が広がっていた。