「自分はナンバーワンじゃない」北海道出身の“規格外候補生”、謙虚に「完璧」追い求めた養成所生活/未来の競輪スター候補
いずれ先行力で“イチバン”になりたい
ーー話は卒業記念レースの前にさかのぼりますが、2月下旬に行われたアジア選手権トラック2024ではチームスプリントで金メダル、1KmTTでは銀メダルを獲得しました。はじめてエリートカテゴリで出場した国際試合を振り返っていかがですか? 中石 自分は1KmTTが好きなのでメダル獲得できたことは嬉しかったですが、1位と差があったので、その差を埋める脚力を付けたいと思いました。でも先輩たちと走ったチームスプリントで金メダルを獲れたのは良かったです。自分は3走だったんですが、ゴールを切る重要な役割があるので、先輩たちの足を引っ張れないプレッシャーがありました。そのプレッシャーの中で実力を発揮することができた点はレースを通じて進化できた手応えもありました。 ーー中石候補生の一番の強み、誰にも負けたくない部分はどういったところでしょうか。 中石 自転車競技だと1KmTTは誰にも負けたくないです。競輪ではダッシュ力と持続力を活かした先行力が武器です。まだ自分よりも強い人はたくさんいますけど、いずれ先行力でイチバンになりたいと考えています。 ーー今後は競輪選手としてデビューしつつナショナルチームの活動も並行すると思いますが、この“二刀流”を決断する時に迷いはなかったですか? 中石 ありませんでした。鉄とカーボンでは踏み方も違いますし、感覚の違いに難しさはあります。でも自分が持っているポテンシャルで自転車を進ませるという根本は一緒で、共通する部分も数多くあります。若いうちにどんどん情報を取得したいので、良い環境だと思っています。二刀流は厳しい部分もありますが、それは乗り越えたいと思っています。 ーー目標にしている選手、スタイルを参考にしている選手はいますか? 中石 師匠の大森慶一さんは追い込みですが、判断力やレース勘といった部分を参考にしています。憧れがあるので、よくレースを見ていますし、勉強しています。あとは自分のスタイルは先行なので、ナショナルチームでGIにも出ているような中野慎詞さんや太田海也さん、小原佑太さんの走りは参考にしています。特に中野さんと太田さんは121回生で自分と期も近く、走っている姿を意識して見ています。