ドン底だった渋野日向子が、「大復活」を遂げた結果、「消えた心配」
"もったいない"を減らす
渋野の言葉からは、確実にパーを拾ったり、バーディーチャンスにはつけているものの、スコアにつながらないもどかしさも感じ取れる。ただ、全米女子オープンから3大会連続で決勝ラウンドに進出できていることについては、「うれしいこと。メジャーが控えているので頑張りたいです」と笑顔を見せていた。 今季の米ツアーでの部門別スタッツを見てみると、フェアウェーキープ率は74.1%で52位、パーオン率も61.1%の143位とショットの精度はまだそこまでいいものとは言えない。ただ、持ち前の笑顔を見せる回数が増え、飛距離も伸びていることで、徐々にスイングに手応えを感じているのは事実。 全米女子オープン2位のあとも「正直自分ではびっくりなんですけど。でも、ここからまたスタート、また新しい章がスタートできるなっていう感覚なので、すごく前向きな気持ちです」と語っていた。 今週開催の「全米女子プロゴルフ選手権」では、前向きな気持ちでもプレーに加え、直近の試合で感じていた“もったいない”シーンを少しでも減らすことが上位に食い込むカギとなりそうだ。 それにしても彼女が大舞台に非常に強く、“持っている”選手なのだと改めて痛感させられる。ちなみに渋野のパリ五輪出場はほぼ叶わないが、ファンの気持ちとしては出てもらいたかったに違いない。渋野の立場としては、五輪日本代表になる選手を祝福する立場になるのだろうが、まずは今週のメジャー大会で優勝争いに顔を出し、再びトピックになることを期待している。
金 明昱(スポーツライター)