【明日の金ロー】トム・クルーズの出世作「トップガン」、あの”ロマコメの女王”も出演していた
8日の金曜ロードショー(後9時)は、放送時間を20分拡大して「トップガン」(1986年)を放送。言わずと知れたトム・クルーズの主演作で、2022年には36年ぶりとなる続編「トップガン マーヴェリック」が公開されたことでも大いに話題となった。その「―マーヴェリック」は15日の金ローで放送されるのでお楽しみに。 マーヴェリックは米海軍のパイロット。天才的な操縦技術を持つが勘に頼るところがあり、仲間たちからは孤立していたが、正反対な性格のパートナー・グースとは堅い信頼で結ばれていた。やがて2人は腕を買われ、海軍戦闘機兵器学校、通称「トップガン」へ派遣されることになる。 訓練が始まる前のパーティーで、マーヴェリックは会場にいた女性・チャーリーに一目ぼれするが、袖にされてしまう。そのチャーリーは、民間の専門技術者としてトップガンでパイロットたちを指導する教官だった。立場が違う2人だったが、やがて恋愛関係を持つように。一方、マーヴェリックは「トップガン」の中でも最高の成績を収めるために日々厳しい訓練に臨んでいたが、ある日、飛行実技訓練でアクシデントが起きる―。 F―14トムキャットによる、ドッグファイトを始めとしたド派手なアクション、マーヴェリックとチャーリーの恋の行方が見どころであることは間違いない。ただ、個人的には本作は音楽が”聴きどころ”でもあるとも考えている。 夕焼けのオープニング、空母の上で係員たちが規律正しく作業をするバックに、ケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン」が流れた瞬間、テンションはMAXに。「愛は吐息のように」は、本作以外の別のシチュエーションで聴いてもマーヴェリックとチャーリーのラブシーンが頭の中に浮かぶほど印象的な楽曲となっており、音楽が映画に与える影響力を感じ取ることができる。 81年に「エンドレス・ラブ」で映画デビューを果たしたトム・クルーズは、83年の「卒業白書」で注目されるようになったが、現在につながる世界的スターになったのは本作がきっかけだった。実はもう一人、ここからステップアップした俳優がいる。それがメグ・ライアンだ。 ライアンは公開時25歳。登場するのは3シーンしかなく、エンドクレジットでも”1軍”の中には含まれていない。だが、弾けるような明るさと、妻としてグースへの愛を隠さないキャロル役は存在感十分だった。 本作の後、「恋人たちの予感」(89年)で人気を不動のものとしたライアンは、「めぐり逢えたら」(93年)、「ユー・ガット・メール」(98年、日本公開は99年)などで「ロマンチック・コメディーの女王」と呼ばれるようになる。近年は作品に恵まれず、若い世代の視聴者には「誰それ?」かもしれないが、一世を風靡(ふうび)した片りんをのぞかせている。(高柳 哲人)
報知新聞社