『Cloud クラウド』第29回釜山国際映画祭正式出品決定&黒沢清監督がアジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞選出へ
黒沢清監督が、主演に菅田将暉を迎えた映画『Cloud クラウド』(9月27日公開)。このたび、本作が第29回釜山国際映画祭、「ガラ・プレゼンテーション部門」で上映されることが決定。あわせて、同映画祭アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞に黒沢清監督が選出された。 【写真を見る】第81回ヴェネチア国際映画祭に登場した黒沢清監督 本作は、ネット社会に拡がる見えない悪意と隣り合わせの“いま”ここにある恐さを描くサスペンススリラー。転売で稼ぐ主人公、吉井良介を菅田将暉が演じるほか、吉井の謎多き恋人、秋子役で古川琴音、吉井に雇われたバイト青年、佐野役で奥平大兼、ネットカフェで生活する男、三宅役で岡山天音、吉井が働く工場の社長、滝本役で荒川良々、そして吉井を転売業に誘う先輩である村岡役で窪田正孝が出演する。 現地時間8月30日に行われた第81回ヴェネチア国際映画祭で観客を熱狂の渦に巻き込んだワールドプレミアにつづき、第49回トロント国際映画祭への出品、そして第97回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品にも決定するなど、ますます勢いを増している本作。今回上映が決定したのは、1996年に創設された、韓国で開催されるアジア最大級の映画祭、第29回釜山国際映画祭の「ガラ・プレゼンテーション部門」。本部門は同祭のメインプログラムであり、その年の話題作や世界で影響力のある監督の新作を上映する。近年では、是枝裕和監督の『怪物』(23)や、新海誠監督による『君の名は』(16)なども招待されている。 今回、黒沢監督に授与されたアジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞は、その年のアジア映画産業に大きく貢献した人物を表彰するもの。過去には鈴木清順監督、若松孝二監督、是枝監督、音楽家の坂本龍一が受賞していた。本作は、今後ヴェネチア国際映画祭、トロント国際映画祭のほかに、LAで開催されるFantastic Fest、スペイン・シッチェス国際映画祭ORBITA部門(10月3日から10月13日)、台湾・高雄国際映画祭(10月12日~10月27日)での上映も決定している。 早くも国際的に注目を浴びている『Cloud クラウド』。本作で描かれる日常と隣り合わせの恐怖をぜひ劇場で目撃してほしい。 文/鈴木レイヤ