新型日産ノート・オーラは、上質だけどお買い得! 和製プレミアムコンパクトハッチの実力に迫る
一部改良を受けた日産「ノート・オーラ」に、大谷達也が試乗した! 【写真を見る】新型ノート・オーラの内外装など(46枚)変更箇所をチェック!
ポイントはエクステリアの変更
マイナーチェンジを受けた日産のノート・オーラに試乗した。 ノートとノート・オーラは日産の稼ぎ頭だ。2024年上半期の国内販売台数(登録車:日本自動車販売協会連合会より)をみると、ノート・オーラを含むノートは5万2857台でランキング4位。しかも、トップ3はトヨタに独占(カローラ、ヤリス、シエンタ)されているので、ノートは日産車のトップであるだけでなく、“非トヨタ車”でも首位である。 ここで紹介するノート・オーラが、ノートの“ちょっぴり高級版”であることは皆さんもご存知のとおり。それも、内外装をそれらしく変更しただけでなく、全幅はノートの1695mmに対してノート・オーラは3ナンバー枠の1735mmと40mmも幅広く、前後トレッドも20mmずつ拡大されている。これがシャシー性能の向上に役立つことはいうまでもない。 いっぽう、マイナーチェンジ版ノート・オーラの“目玉”とされているのが、フロントグリルの変更だ。 新たに採用されたのは、ノート、ノート・オーラとともに「デジタルVモーション」と呼ぶ、新意匠。ただし、おなじ名前を与えられているにも関わらず、見た目の印象は大きく異なる。ノート・オーラのほうが、はるかに立派で未来的なデザインに思えるのだ。 そもそもデジタルVモーションというデザイン、フロントグリルの両脇に薄いヘッドライトが飛び出していた従来型に対し、ヘッドライトの下側をウインカーやデイタイムランニングライトともどもグリルと一体化している点に特徴がある。 ウインカーやデイタイムランニングライトをグリルに溶け込ませるデザインは、たとえばトヨタ「アルファード」あたりにも採用されている。 “複数のアイテムをひとつに見えるようにデザインする”が、自動車デザインの歴史であることを考えれば、これは必然的な流れといえなくもない。 ただし、この考え方を拡大解釈して、グリルそのものまで大型化した点にデジタルVモーションの新規性はある。そして、“大きなグリルのクルマのほうがよく売れる”のが日本の自動車市場の明確なトレンドであれば、日産の考え方は実に合理的ともいえるだろう。 もっとも、前述したとおり、おなじデジタルVモーションでもノートとノート・オーラではずいぶん見え方が違う。ノート・オーラのほうがグリルのマス目が細かくて、しかも立体的に仕上げられているため、はるかに上質に見えるのだ。これに比べると、ノートは“これって商用モデル?”なんて思ってしまうくらい、質素なデザインだ。 そういえば、一足先にマイナーチェンジを受けたオーラでないノートのほうは、「X」グレードだけで、そのそれぞれに前輪駆動と4輪駆動の2タイプが用意されるのみ。いっぽうのオーラは「G」と「Gレザー・エディション」の2グレード構成で、それぞれに前輪駆動と4輪駆動が設定される(どちらも、これ以外に90周年記念車をラインアップする)。 おそらく、日産としてはノート・オーラをより積極的に売りたいのだろう。これもまた、ノート・オーラのほうが5~60万円高いことを考えれば、自動車メーカーとしてごく当然の判断だろう。