「半年間、毎日食べ続けた」外来種をキッチンカーで販売する芸人。「ナマズはフライ、ザリガニはパウダーに」
「劇団ひとりに憧れて」ピン芸人に
ハットリさんのキッチンカー人気は、物珍しさや味ばかりではない。ハットリさんの軽妙な話し方やキャラもその人気の要因のひとつだろう。 その名の通り、ハットリさんはピンのお笑い芸人である。魚の名前だけで替え歌を歌ったり、映画やアニメのワンシーンを魚の名前に置き換えて再現することなどが現在の持ちネタだ。 通常のお笑いライブにとどまらず、水族館や漁港、魚関連のイベントなどでも芸や魚クイズなどを披露し、SNSなども含めじわじわ知名度も上昇している。 しかし、ハットリさんはそもそも魚ネタをやるために芸人になったわけではない。劇団ひとりに憧れピン芸人になるも、なかなかブレイクすることができず、苦し紛れに舞台で披露したのがアマチュア時代、大学のダイビングサークルの飲み会での余興用だった魚ネタだったという。 「『スタンド・バイ・ミー』を『スズメダイ、スズメダイ』ってひたすら言い続けるという(笑)。これが意外とウケまして」 その後、ブログ上で「1ヶ月間どこまで北に向かって歩けるか」などチャレンジ企画をいろいろ行う中たどり着いたのが、千葉・館山で「1ヶ月間自分が釣った魚しか食べられない」という企画だった。 芸名も「ハットリ」から「さかな芸人ハットリ」へ、ジャンルに特化した名前へと改名した。 「このチャレンジが反応よかったので、もうこの流れに乗って行こうと。頭にメバルを貼り付けるようにもなりアップデートさせていきました。その後も魚の替え歌の路上ライブを築地市場で行い、投げ銭としてもらった現物の魚だけをを食べて生活するとか。 そして釣った魚を300種類食べるまで終われないというチャレンジでは北海道から沖縄まで7ヶ月間、日本全国を他の食べ物を我慢しながら300種類達成しました」 そのときの300種類の記録はそのまま図鑑化もされた。その流れで出会ったのが、外来種の存在だった。