Back Marketが中古スマホの買い取りを開始 既存事業者にない特徴とは? Belongと提携し「減額なし」「安心安全」を訴求
Back Marketが11月20日、中古デバイスの買い取りサービスの提供を開始した。 【画像】買い取りサービスの流れ。iPhone 14 ProやiPhone 13の買い取り価格例も フランス発のBack Marketは2021年から日本でリファービッシュ製品を販売しているが、買い取りサービスの開始により、ユーザーはBack MarketのWebサイトから整備済みスマートフォンの購入と買い取りの両方を行えるようになる。
日本は諸外国と比べてスマートフォンの買い取りが遅れている
Back Marketが扱うリファービッシュ製品は中古製品の一種だが、一定の品質基準にのっとって整備されており、「全ての機能が問題なく動作することを担保していること」が中古品との違いになる。Back Market自身は端末の在庫を持たず、同社に登録している中古業者や修理業者などがリファービッシュ製品を販売している。 Back Market Japan取締役 アジア太平洋地域代表の山口亮氏は、日本は諸外国に比べて、買い取りのサービスが進んでいないことを指摘する。米国では使い終わったスマートフォンの約7割が、買い取りやリサイクルなどによって二次流通に戻っているが、日本ではその比率が4割程度という調査結果も出ている。 Back Marketが20~60代の男女1000人に行った調査では、約6割のユーザーが古いスマートフォンを自宅に保管していると回答した。その理由として、データ消去や個人情報の流出を心配する声や、店舗に持って行くのが面倒といった声が挙がっている。一方で、7割強のユーザーが、不要なスマートフォンの買い取りに関心を示しており、市場の成長余地が大きいともいえる。山口氏は「(残りの)6割の人に買い取りを知ってもらい、買い取りを行ってもらえれば、もっとマーケットが活気づく」と期待を寄せる。 ただしBack Marketはリファービッシュ製品のプラットフォームを提供する企業であり、買い取りの仕組みや検品のセンターを自社で持っているわけではない。そこで、伊藤忠グループのBelongと提携し、同社が持つ買い取りのソリューションをBack Marketに導入する。 Belongは中古スマホサービス「にこスマ」を展開しており、自社で買い取りも行っているが、この買い取りのノウハウをホワイトレーベル化して外部に提供するビジネスも展開しており、その仕組みをBack Market向けにカスタマイズしている。 Belongは神奈川県座間市にオペレーションセンターを保有しており、データ消去から機能検査、外観の確認まで、中古スマートフォンを商品化するまでのオペレーションを一手に担っている。整備しているスマートフォンは年間100万台に及び、「国内最大級の規模感」とBelongの井上大輔社長は話す。なお、BelongはBack Marketに登録している販売業者でもあり、同社が整備した中古端末でBack Marketの基準に合致するものは、Back Marketでも販売されている。 井上氏はBack Marketとの協業について、「新古品やリファービッシュでより安心安全な世界を作っていくという考えに賛同している。中古品にまつわる不安な気持ちをいかに解消していくかが、この市場が伸びていくカギだと思っているので、お客さまに透明性や正直さを徹底することで、この市場をともに拡大していきたい」と意気込みを語った。