「ネットはもう安全だと思えない」全米オープンテニスでも止まらない誹謗中傷…選手の被害告発に現世界女王も反応
現地時間8月29日(日本時間30日)、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センターにて四大大会「全米オープン」の女子シングルス2回戦が行われ、世界ランク1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)は、予選から勝ち上がってきた同217位の柴原瑛菜と対決。6-0、6-1でストレート勝利を収め、5年連続の3回戦進出を決めた。 順調に勝ち進む世界女王だが、その一方で現在、テニス界に大きな波紋を広げているのが、パリ五輪でも物議を醸した誹謗中傷問題だ。賭博絡みの攻撃的な書き込みが多く、自身もその被害を「何度か受けた」というポーランドの23歳は、試合後の記者会見で、「親しい人、自分が承認した人のメッセージしか見ていない。ただ、ヘイトが多いのは確か」と言及している。 現地時間28日には、世界30位のキャロリン・ガルシア(フランス)がSNSを更新し、自身に寄せられた心ない書き込みの一部を公開。「トーナメントやこの競技は、ベッティング会社と提携し、不健全な賭け事に新たな人々を引き寄せ続けている」「なぜオンライン上で何をしてもいいのか?匿名性について考え直すべきではないか?」などと訴えていた。 2回戦をプレーする前にこの投稿をリポストし、「声を上げてくれてありがとう」と感謝を示していたシフィオンテクは、「カロ(ガルシアの愛称)のように私たちがもっと何かできればいいと思う」とコメント。「もうインターネットをやっていて安全だとは思えない。何を読むのか、誰をフォローするのか、本当に注意しなければならない」と自身の心境を明かしている。 対策として四大大会の一つ「全仏オープン」では、AI技術を活用したSNS監視のツールが提供されており、こうした取り組みを評価しているシフィオンテクは、「全仏が導入したようなツールは知っている。アプリをスマホに入れておけば、嫌なメッセージをブロックしてくれる」「このようなツールを使う機会がもっとあればいいと思う」とも語っていた。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]