コロナで解雇を告げられた人たち 電機、ディズニー、飲食店──それぞれの苦悩
「問題は、この数字を近年のGDPと失業者数にあてはめると、計算上は7.5万人の失業者が発生するということです」 昨年12月末の東京商工リサーチの発表によると、新型コロナウイルスに関連する経営破綻は昨年2月からの全国累計で843件。ほとんどが中小・零細企業と報告された。今回の再発令で、さらなる被害が想定されると永濱氏は言う。 「もう非正規だけの話ではありません。リストラや借入金で何とか事業を続けている会社がこの先どこまでもつのか。会社が倒産、廃業となれば、もっと影響は広がります。雇用は経済の基盤。GDPや日経平均の数値よりも、雇用が失われないかどうかが大事です。経済政策の根っこは働きたい人に働く場所を与えること。政府はそれが維持できるかが問題でしょう」 仮に10万人以上の人が職を失えば景気の低迷は避けられない。感染拡大を抑えつつ、どこまで経済を維持することができるのか。政府の手腕が問われている。
岩崎大輔(いわさき・だいすけ) ジャーナリスト。1973年、静岡県生まれ。講談社「FRIDAY」記者。主な著書に『ダークサイド・オブ・小泉純一郎 「異形の宰相」の蹉跌』『激闘 リングの覇者を目指して』『団塊ジュニアのカリスマに「ジャンプ」で好きな漫画を聞きに行ってみた』など。