コロナで解雇を告げられた人たち 電機、ディズニー、飲食店──それぞれの苦悩
ディズニー側からの回答は
今回、会社が示した三つの選択肢について、準社員らからどのような反応があったのか、オリエンタルランド広報部に尋ねたところ、個別の状況についてはお答えしていないと書面で回答があった。また、4月以降のキャラクター出演やダンサーの出演について優先的な雇用という要望があることについても尋ねたところ、下記のような回答だった。 「従前から出演者契約については、ショークオリティ維持の観点からオーディションに合格した方と契約を結んでおります」 出演者やダンサーから相談を受ける、労働組合「なのはなユニオン」委員長・鴨桃代氏は嘆息する。 「オリエンタルランドは正社員、嘱託社員約4000人の冬のボーナスを7割減らし、雇用を守ったといわれています。けれども、従業員2万6000人のうち8割を占める、東京ディズニーリゾートの現場を支えるキャスト(アルバイト、パート)には厳しい選択肢を突きつけました。アナリストによれば、同社は3000億円の現金および預金残高もあり、1年間客がゼロでもやっていける、という優良な財務体質のようなのですが……」
コロナが直撃した飲食業界
コロナによるリストラは、飲食業界でも起きている。 「コロナでどこまで耐えられるかと思いましたが、切られるのはあっさりしたものでした」 そう語るのは川崎市に住む高橋将吾さん(仮名、47)。都内の飲食チェーンで店舗マネージャーとして働いていたが、昨年6月に解雇された。 3月から学校の休校が始まり、企業のテレワークが推奨されだすと客が激減した。食器や座席の感染対策の業務は増える一方、バイトスタッフには勤務の抑制をしなければならなかった。 3月下旬に東京五輪の延期が決まり、小池百合子東京都知事から夜間の外出自粛が要請されると、「本当にお客さんが消えた」という。本社に売り上げの報告や食材の注文をするなかで、高橋さんは自身のリストラを想像しはじめたという。 「店の厳しい状況を妻に話すと、『転職するなら50歳になる前のほうがいいんじゃない』と、最初からやめるような言い方をされました。推奨しているのかなと思いました」